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2024年11月11日

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茨城県の有効求人倍率1.34倍に上昇!新規求人が47.3%減少の宿泊業で顕著な動き

県内の雇用情勢の概況(令和6年9月分)(茨城労働局)

茨城県の最新の雇用情勢について、令和6年9月のデータを元に、詳細な分析を行います。全体として、求人が求職を上回る状況が続いていますが、改善の動きは弱まっており、物価上昇などの外的要因が雇用に与える影響が懸念されています。具体的な数字を元に、県内の雇用状況を以下に詳述します。

まず、有効求人倍率(季節調整値)は1.34倍と前月より0.03ポイント増加しました。これは、全体的な求人が求職を上回ることを示しており、依然として求人市場が活発であることを示唆しています。有効求人数は48,867人で前月より3.4%増加し、2か月連続の増加となりました。一方で、有効求職者数は36,572人で1.6%の増加を記録しました。求職者数の増加は、3か月ぶりの増加となり、労働市場における競争が激化している可能性があります。

一方で、新規求人倍率は2.14倍で、前月より0.03ポイント減少しています。新規求人数自体は前年同月に比べ4.6%減少しており、特に宿泊業や飲食サービス業において顕著な減少が見られました。宿泊業と飲食サービス業の新規求人数は47.3%減少し、485人減少しました。これにより、これらの業界においては労働需要が縮小している状況が浮き彫りになっています。一方で、「医療、福祉」分野は11.9%、つまり530人の増加を示しており、特に福祉分野での人材需要が引き続き高まっていることがわかります。

正社員の有効求人倍率は1.07倍となっており、前年同月と比較して0.02ポイント減少しています。正社員の求人市場においては、求人と求職のバランスが取れている状況が続いているものの、やや求職者数の増加が見られることが特徴です。特に、製造業では10.8%の新規求人の減少が見られ、これが全体の正社員求人の減少に寄与しています。

雇用保険に関しても、重要な指標となっています。雇用保険失業給付受給資格決定件数は前年同月に比べ4.9%減少し、2か月連続の減少となりました。一方、雇用保険の受給者実人員は前年同月比1.5%増加し、2か月ぶりに増加に転じています。この結果は、失業者が徐々に減少している一方で、受給資格を得た人々が安定的に増えていることを示唆しており、雇用の回復がまだ不十分であることがうかがえます。

次に、新規求職者の動きについても触れておきます。新規求職申込件数は前年同月比で1.7%減少し、2か月連続で減少傾向にあります。雇用形態別に見ると、「パートタイムを除く常用職」は前年同月比で6.3%減少しており、一方で「常用的パートタイム」は6.2%増加しています。このデータから、フルタイムの常用職よりも、パートタイム職の需要が高まっていることが明らかです。

このような状況において、茨城県の雇用市場は引き続き変化し続けていますが、特定の産業での需要の変動が特に目立ちます。例えば、運輸業や郵便業では19.2%、つまり169人の求人増加が見られ、物流業界における人材不足が一段と深刻化している可能性があります。逆に、卸売業や小売業は14.3%の求人減少を示しており、消費者需要の低迷が求人市場に反映されています。

新規求人倍率が2.14倍と依然として高い水準を保っていることから、新たな求職者に対しては多くの求人が存在しているものの、特定の産業では需要と供給のバランスが崩れていることが明確です。特に、サービス業や宿泊業、飲食業などの労働集約的な産業では、コロナ禍以降の影響が未だに続いており、今後の回復が期待されます。

さらに、季節調整済みのデータに基づく分析では、失業率や就職率のわずかな改善が見られるものの、物価上昇や景気の先行き不透明感が続く中で、今後の雇用情勢にも慎重な対応が必要です。特に、政府による追加の経済対策や、企業の雇用支援策が求められる場面が増えると考えられます。引き続き、これらの動向を注視し、必要な対応を早めに行うことが、地域経済の安定につながるでしょう。

⇒ 詳しくは茨城労働局のWEBサイトへ

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