労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 茨城県 令和6年10月 新規求人倍率が2.01倍に低下!医療福祉業界で7.3%減少した背景とは?

2024年12月10日

労務・人事ニュース

茨城県 令和6年10月 新規求人倍率が2.01倍に低下!医療福祉業界で7.3%減少した背景とは?

県内の雇用情勢の概況(令和6年10月分)(茨城労働局)

令和6年10月における雇用情勢について、詳細に分析すると、雇用市場は依然として有効求人倍率が1.34倍と堅調に推移している一方で、改善のペースが鈍化していることが明らかになりました。求人数が求職者数を上回る状況が続いていますが、新規求人倍率や正社員有効求人倍率などの指標を見ると、全般的に減少傾向が見られ、特に産業別では顕著な格差が浮き彫りとなっています。

具体的には、新規求人数は前年同月比で7.8%減少し、6か月連続で減少が続いています。この減少は、医療・福祉分野での7.3%減、生活関連サービス業・娯楽業での43.7%減、建設業での18.7%減が大きく寄与しており、これらの業種での採用活動が低調であることが伺えます。一方で、公務その他の分野では108.9%の増加、サービス業では3.4%の増加と、一部の分野で求人活動の活発化が確認されています。

雇用保険関連では、失業給付受給資格決定件数が前年同月比で3.3%増加しており、3か月ぶりの増加傾向となりました。一方で、雇用保険受給者の実人員は前年同月比0.8%減少し、被保険者資格喪失者数も0.6%減少しています。特筆すべき点として、事業主都合での離職者数が33.7%と大幅に減少しており、企業側の雇用維持への努力が見て取れます。

有効求人倍率を季節調整値で見ると1.34倍であり、全国平均と同水準に位置しています。ただし、新規求人倍率は2.01倍と前月より0.13ポイント低下しており、新規採用活動の鈍化が顕著です。正社員有効求人倍率に関しては1.08倍と、前年同月比でわずかに減少しました。これは、パートタイムを除く常用労働者の求人が減少傾向にあることが要因として挙げられます。

また、労働市場の中での地域格差も注目すべきポイントです。ハローワークデータを基に地域別の求人数と求職者数を分析すると、求人数の減少が著しい地域と比較的安定している地域との間で、経済活動の差が見られます。特に人口減少が進む地域では、労働力不足と求人の減少が相まって地域経済の活性化に影響を及ぼしています。

一方で、新規求職申込件数は前年同月比1.3%減少し、3か月連続で減少しています。雇用形態別では、「パートタイムを除く常用」の新規求職者数が5.0%減少している一方で、「常用的パートタイム」は5.5%増加しており、求職者側の柔軟な働き方へのニーズが高まっていることが示唆されます。

以上のデータを総合すると、県内の雇用情勢は一見安定しているように見えるものの、細部を掘り下げると改善のペースが鈍化し、一部の業種や地域で深刻な課題が浮上していることがわかります。雇用情勢のさらなる改善には、物価上昇や経済環境の変動が雇用に与える影響を注意深く見極めるとともに、労働市場全体でのバランスの取れた対策が求められます。

⇒ 詳しくは茨城労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ