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2024年11月11日

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茨城県 高校新卒内定率65.3%、求人倍率2.94倍!

令和7年3月新規高等学校卒業予定者の求人・求職・内定状況(茨城労働局)

令和7年3月に新規高等学校卒業予定の生徒の求人・求職・内定状況に関する最新の統計が、茨城労働局より発表されました。この調査は、学校やハローワークを通じて就職を希望する生徒を対象としたものであり、9月末時点のデータに基づいています。具体的な数字を通して、現在の就職市場の状況が明らかにされ、企業の採用担当者にとっても非常に重要な情報となっています。

まず、9月末時点での就職内定率は65.3%に達しています。前年同月の内定率は65.9%であったため、若干の低下が見られますが、それでも依然として高水準を維持しています。男女別に見ると、男子の内定率は66.8%、女子の内定率は62.8%であり、男女ともに大きな差はないものの、男子がわずかに高い結果となりました。昨年と比較すると、男子は0.7ポイントの減少、女子は0.5ポイントの減少という微減にとどまっています。

内定者数についても、前年同期と比較すると5.4%増加しており、具体的には2,551名の生徒が内定を獲得しています。内訳は男子が1,587名、女子が964名であり、男子が多数を占めています。内定者数の増加は、特に求人数の増加が影響しています。求人数は前年同期比で3.4%増加し、11,476人に達しています。このことからも、企業側が新卒採用に対して積極的な姿勢を維持していることが伺えます。

一方で、求職者数も前年に比べて6.4%増加し、3,908人に達しました。男子が2,374人、女子が1,534人で、こちらも男子の方が求職者数が多い状況です。求人倍率は前年同期と比較して0.08ポイント減少し、2.94倍となりました。これにより、若干の企業側の採用需要の減少が読み取れますが、依然として新卒市場は高い競争率を保っています。

各産業や職種別に見ると、製造業や卸売業、小売業といった業界で特に求人が多くなっています。具体的には、製造業では前年同期比で1.8%増加し、5,158人の求人がありました。このうち食料品製造業は微増の2.5%増で749人、飲料・たばこ・飼料製造業も前年から46.9%増加し、47人の求人が出ています。また、輸送用機械器具製造業では前年から12.0%の増加が見られ、求人は364人に上りました。これらのデータからも、特定の産業での雇用需要が高まっていることが明らかです。

さらに、運輸業や郵便業においても求人が増加しています。9月末時点での求人は前年から6.5%増加し、1,418人となりました。特に物流や輸送業界は、新型コロナウイルス感染症の影響によって需要が急増していることが背景にあると考えられます。また、宿泊業や飲食サービス業でも前年比で8.0%増加し、864人の求人が確認されています。これも、コロナ禍からの回復とともに観光業やサービス業の需要が回復してきていることを示しています。

一方で、一部の産業では求人が減少しています。例えば、鉱業や採石業では前年から50%減少し、わずか2人の求人にとどまりました。また、教育・学習支援業でも50%の減少が見られ、4人の求人しか出ていません。これらの業種は、コロナ禍や少子化の影響を受けている可能性が高いです。

企業規模別に見ると、特に100人以上の中規模企業や大企業での求人が増加していることがわかります。具体的には、100~299人規模の企業では12.6%増加し、求人は339人に達しています。また、1,000人以上の大企業では11.6%増加し、809人の求人が出されています。これらのデータから、大企業が積極的に新卒採用に取り組んでいることが読み取れます。

過去10年間のデータを振り返ってみると、求人倍率は一貫して上昇傾向にありましたが、今年は微減となりました。それでも、ここ10年間の最低水準であった1.57倍(平成28年)からは大きく上昇しており、新卒市場は引き続き売り手市場であることに変わりはありません。企業にとっては優秀な人材の確保が引き続き重要な課題となっており、採用戦略の見直しが必要とされています。

また、9月末時点での内定率が65.3%であることを踏まえると、まだ多くの生徒が内定を獲得していない状況です。茨城労働局では、各高等学校と連携し、未内定者への個別相談や求人開拓を積極的に行っていくと発表しています。この取り組みは、今後の内定率向上に寄与すると期待されています。

最後に、今回のデータをもとに、企業の採用担当者がより効果的な採用活動を行うためには、求人の質や魅力を高める努力が求められます。また、内定を獲得していない生徒へのサポートも重要であり、ハローワークや学校との連携を強化することで、企業と求職者双方にとってより良いマッチングが実現することが期待されます。

⇒ 詳しくは茨城労働局のWEBサイトへ

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