2025年1月21日
労務・人事ニュース
被保護実人員数が2,009,447人に減少、生活保護調査の詳細が明らかに(令和6年10月分概数)
被保護者調査(令和6年10月分概数)(厚労省)
令和6年10月分の生活保護被保護者調査の結果が厚生労働省から公表されました。この調査は、生活保護の現状を把握するための重要な統計資料であり、各種データが取りまとめられています。結果を詳細に見ると、令和6年10月時点での被保護実人員数は2,009,447人となり、前年同月比で12,171人、0.6%減少しました。一方、被保護実世帯数は1,652,414世帯で、前年同月比では269世帯、0.0%増加しており、安定した傾向を示しています。
生活保護の申請件数は21,561件で、前年同月比で661件、3.2%の増加が見られました。このデータは、生活保護への新たなニーズが生じていることを示唆しています。同様に、保護開始世帯数も19,807世帯となり、前年同月比で977世帯、5.2%増加しました。このような増加は、生活困窮者への支援ニーズが拡大している可能性を示しています。
さらに詳しいデータを見ていくと、被保護実人員数の保護率(人口百人当たりの比率)は1.62%で、前月比ではわずかに増加しました。被保護実世帯数のうち、世帯類型別に見ると、最も多いのは高齢者世帯で905,057世帯、全体の55.1%を占めています。この高齢者世帯数は、前年同月比で2,768世帯減少しました。一方、高齢者世帯を除くその他の世帯は738,088世帯で、前年同月比では2,686世帯、0.4%の増加となっています。この中には、障害者・傷病者世帯や母子世帯も含まれています。
障害者・傷病者世帯は413,857世帯で、全体の25.2%を占め、前年同月比で3,037世帯、0.7%の増加が見られました。また、母子世帯は62,597世帯で、全体の3.8%を占めていますが、前年同月比では2,385世帯、3.7%の減少となっています。これらのデータは、世帯構成や保護ニーズの変化を示しており、政策策定や支援計画の見直しに役立つと考えられます。
さらに、保護の申請件数と保護開始世帯数の増加は、生活困窮者への支援の重要性を強調するものです。特に申請件数が増加していることから、支援を必要とする世帯が増えている可能性が高いです。これは、地域社会や支援機関にとっての課題であり、迅速かつ的確な対応が求められます。
今回の調査結果を基に、生活保護制度の適正な運用と支援の強化が期待されます。具体的には、高齢者や障害者を中心とした支援の強化、母子家庭へのさらなるサポート、そして新規申請者への迅速な対応が課題として挙げられるでしょう。これらの施策が実施されることで、社会全体の福祉水準の向上が図られることが期待されます。
今後も、このような調査結果が定期的に公表されることで、生活保護制度の透明性が確保されるとともに、政策の効果を検証するための基礎資料として活用されていくでしょう。支援を必要とする人々が安心して生活できる社会を実現するためには、引き続き、データに基づく的確な施策が重要です。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ