2025年3月13日
労務・人事ニュース
複合サービス事業の平均月間実労働時間は147.6時間!前年比0.5時間減(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)
毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)複合サービス事業
令和6年の毎月勤労統計調査によると、複合サービス事業の平均月間実労働時間は147.6時間で、前年比0.5時間の減少が確認された。この減少は、業界全体での労働時間短縮の取り組みが進んでいることを示しているが、それでも他の業界と比較すると比較的長時間の労働環境が続いている。複合サービス事業は、郵便事業や協同組合など、多岐にわたる業務を含むため、労働時間の適正化には業態ごとの対応が求められる。
内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は138.8時間で、前年比0.2時間の減少となった。この減少は、働き方改革の影響が一部の業種で出始めていることを示している。特に、大手企業では、業務のデジタル化や効率化が進んでおり、従業員がより短時間で業務を完了できる環境が整いつつある。一方で、小規模事業所では、従業員一人あたりの業務負担が大きく、十分な人員確保ができない場合には、依然として長時間労働が発生しているケースが見られる。
一方、所定外労働時間(残業時間)は8.8時間で、前年比6.0%の減少が見られた。このデータから、複合サービス事業では残業時間の削減が進んでいることが分かる。特に、郵便事業では、労働環境の見直しが進んでおり、配達業務の効率化や物流の最適化によって、従業員の負担軽減が実現されつつある。また、協同組合では、業務の分担を進めることで、従業員一人あたりの業務量を調整し、残業時間を削減する取り組みが進んでいる。
月間出勤日数については、18.7日で前年と変動はなかった。このデータから、複合サービス事業では出勤日数が安定していることが分かる。特に、郵便事業では、365日稼働する業務形態であるため、交代制勤務が導入されていることが多く、大幅な出勤日数の減少は難しいのが現状である。一方で、一部の協同組合では、柔軟な働き方の導入が進み、週休2日制の普及が徐々に進んでいる。
企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進む中で、どのように業務の効率化と人材確保を両立させるかという点にある。複合サービス事業は、多様な業務を含むため、労働環境の改善と業務の効率化をどのように両立させるかが重要な課題となる。そのため、企業は給与体系の見直しや、福利厚生の充実を進めることで、人材確保に努めることが求められる。
また、今後の課題として、労働時間の適正化と業務負担の均等化が求められる。特に、郵便事業では、業務量の増加が続いており、繁忙期には長時間労働が発生しやすい傾向があるため、業務の最適化や物流の効率化を進めることが重要となる。一方で、協同組合では、組合員との調整や業務の多様化が求められるため、業務の標準化と効率化が今後の大きな課題となる。
今後の展望として、複合サービス事業はデジタル技術の発展により、さらなる業務効率化が進むことが予想される。特に、AIを活用した物流管理システムや、オンライン業務の拡大により、従業員の負担軽減が実現される可能性がある。一方で、業務の自動化が進む中でも、対人業務が求められる分野では、従業員のスキル向上や、適切な人材配置が今後の課題となる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ