2024年10月13日
労務・人事ニュース
観光業界の人材ニーズ急増!2024年7月の宿泊者数が前年比36%増加した背景とは
宿泊旅行統計調査(2024年(令和6年)7月・第2次速報、2024年(令和6年)8月・第1次速報)(観光庁)
最近の宿泊旅行統計調査によると、日本国内の宿泊業界は、特に外国人宿泊者数の大幅な増加が顕著です。2024年7月の調査では、全体の延べ宿泊者数が5666万人泊を記録し、2019年同月比で9.4%の増加が見られました。この中で、特に外国人宿泊者の割合が36.1%増加しており、コロナ禍以前と比べても宿泊需要が回復しつつあります。2024年8月の速報値でも、外国人宿泊者数が1281万人泊となり、前年比20.9%の増加を示しています。一方で、日本人宿泊者数はわずかに減少しており、前年同月比で0.8%減少しましたが、外国人宿泊者の増加により全体的な宿泊者数の増加が維持されています。
このようなデータは、特にホテル業界や観光業において、人材の確保が今後ますます重要であることを示しています。外国人観光客の増加に伴い、ホテルスタッフやツアーガイド、さらには多言語対応が可能な人材がますます必要とされるでしょう。特に、外国人観光客が増加している地域では、その地域に適したサービスを提供できる人材が求められており、これに対応するための人材戦略が必要です。
また、2024年7月のデータによれば、都道府県別の宿泊者数においても顕著な地域差が見られます。北海道は外国人宿泊者数が約24.4%増加しており、特にアジア圏からの旅行者が多いことがわかっています。アジア圏では中国、台湾、韓国からの訪日客が上位を占めており、これらの国々に対応するための語学力や文化理解がある人材の確保が求められます。観光庁の統計によると、2024年7月において、中国からの観光客は約308万人泊で全体の25.2%を占め、台湾、韓国がそれぞれ14.1%、12.6%と続いています。これにより、外国人宿泊者の約64.5%がアジアからの観光客であり、特に語学対応が急務となっていることがわかります。
宿泊施設のタイプ別稼働率もまた、業界全体の人材需要を示唆する重要な指標です。2024年7月の宿泊施設全体の稼働率は61.2%であり、特にリゾートホテルでは73.9%と高い水準を保っています。リゾートホテルやビジネスホテルでは、外国人宿泊者の増加に伴い、国際的なサービス提供が求められており、この分野での多言語対応や異文化コミュニケーションが可能な人材の需要が急増しています。特に、ホテル業界ではシティホテルやビジネスホテルの稼働率も高く、これらの施設でのスタッフの不足が顕在化しているため、採用活動が活発化することが予想されます。
さらに、地域別の詳細なデータを見てみると、東京都は9月時点で約502万人泊の宿泊者数を記録し、前年同月比で35.8%増加していることがわかります。大阪府も同様に、約249万人泊で前年同月比41.4%増加しており、都市部では特に外国人観光客の急増が見られます。これに対して、地方部では依然として日本人宿泊者の割合が高く、地域ごとの人材ニーズにも違いが見られます。地方では地域観光の振興が重要な課題となっており、そのためには観光業界の現地スタッフの確保が急務です。
特に、採用活動において注目すべきは、ホテル業界での多言語対応ができるスタッフのニーズの高まりです。東京都や大阪府などの大都市圏では、宿泊者の50%以上が外国人であることから、英語や中国語、韓国語などの多言語対応が可能な人材は非常に貴重です。また、これに加えて、観光施設やレストラン、交通機関においても多言語対応が求められるため、こうした人材の確保は業界全体で急務となっています。外国人観光客の増加に伴い、サービスの多様化が進む中で、異文化理解やホスピタリティスキルを持つ人材の採用が重要な課題となるでしょう。
総じて、観光業界における人材需要は今後ますます高まると予想されます。観光庁の最新データによれば、2024年7月時点での日本全体の客室稼働率は61.2%と高水準を維持しており、外国人宿泊者の割合が増加していることから、業界全体での人材確保が急務となっています。特に、都市部では外国人観光客の増加に伴い、国際的なサービスを提供できる人材が求められており、この流れに対応するための採用戦略が重要です。さらに、地域ごとの特性に合わせた人材確保も必要であり、地方部では観光資源を活用した地域振興に向けて、現地スタッフの採用が進むことが期待されています。
⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ