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2025年2月14日

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観光立国を支える人材戦略!檜山地域の観光地域づくりが生み出す新たな雇用機会

観光立国を先導する世界トップクラスの観光地域づくりセミナーin檜山 ~自然が生み出す造形美、古(いにしえ)の文化と海・地の恵みがあふれる檜山から観光を考える~(国交省)

北海道開発局と国土交通省北海道局は、観光立国を目指す日本の政策の一環として、世界トップクラスの観光地域づくりに向けたセミナーを開催する。このセミナーは檜山地域を対象とし、地域資源を最大限に活用した観光振興のあり方について議論する場となる。

本セミナーでは、観光地域づくりの第一線で活躍する専門家が基調講演を行い、パネルディスカッションでは観光と地域経済の活性化に取り組む各分野の代表者が登壇する。具体的には、北海道大学大学院の石黒侑介准教授が「観光地域づくりの基本」について講演し、東京女子大学の矢ケ崎紀子教授が広域観光論の視点から地域観光の可能性を探る。さらに、地元の江差いにしえ資源研究会、中島晶子氏や、地域の自然資源を活かした観光事業を手がけるピリカ自然塾の石川佳洋氏などが登壇し、実践的な観光戦略について意見を交わす。

檜山地域は、江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町、今金町、せたな町といった町々で構成され、豊かな自然と歴史的文化遺産を併せ持つ。しかし、観光産業の競争が激化する中で、地域独自の魅力をどのように打ち出し、持続可能な観光モデルを構築していくかが課題となっている。本セミナーでは、こうした課題に対して具体的な解決策を模索する。

観光地域づくりにおいて重要なのは、単なる観光名所の紹介にとどまらず、地域住民との連携を強化し、持続可能な観光産業を構築することである。たとえば、江差町では古くからの伝統文化を生かし、歴史的建造物を活用した体験型観光を推進している。また、上ノ国町では廃校を利用したワイナリー事業を展開し、観光と地域産業の融合を図っている。こうした取り組みは、地域活性化の成功事例として注目されている。

特に今回のセミナーでは、アドベンチャートラベルの可能性が強調されている。アドベンチャートラベルとは、自然環境を活かした体験型観光のことであり、北海道のような広大な自然を有する地域にとって大きな可能性を秘めている。近年、欧米を中心にアドベンチャートラベルの需要が高まり、日本国内でもこの分野に注目が集まっている。檜山地域には、海・山・川の自然資源が豊富にあり、ラフティングやトレッキング、さらには歴史と結びついたツアーなど、幅広い観光プログラムを展開する余地がある。

こうした観光地域づくりの取り組みは、地域雇用の創出にも寄与する。観光業は、宿泊業や飲食業だけでなく、ガイドやインストラクター、地域産品の販売事業など、多様な雇用機会を生み出す。特に近年では、リモートワークが普及する中で、都市部から地方へ移住し、観光業に関わる人材も増えている。これに伴い、観光業界の採用戦略も変化しつつある。企業の採用担当者にとって、観光地域づくりの成功事例を把握し、地方と連携した人材確保の方法を模索することが重要になっている。

本セミナーでは、こうした観点から、地域がどのように観光人材を確保し、育成するかについても議論が行われる。例えば、観光業界におけるインターンシップの充実や、地域特有の観光ガイド養成プログラムの導入など、実践的な施策が紹介される予定だ。観光業は専門知識とコミュニケーション能力が求められる分野であり、地域と連携した人材育成が不可欠である。

また、観光マーケティングの観点からは、デジタル技術の活用が不可欠となっている。SNSやオンラインプラットフォームを駆使した情報発信、データ分析を活用したターゲットマーケティング、オンライン予約システムの導入など、デジタルツールを活用することで観光客の満足度を高めることが可能となる。企業の採用担当者にとっても、観光業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の動向を把握し、適切な人材を確保することが求められている。

今回のセミナーは、こうした観光地域づくりの最新動向を学び、実践的なノウハウを共有する貴重な機会となる。観光業に携わる企業や自治体関係者だけでなく、地方創生に関心のある企業の採用担当者にとっても、地域の魅力を活かした人材戦略のヒントを得る場となるだろう。

観光業は、単なるレジャー産業にとどまらず、地域の文化・経済を支える重要な産業である。持続可能な観光地域づくりを実現するためには、地域住民、企業、行政が連携し、それぞれの役割を果たすことが不可欠だ。今後も、こうした取り組みが全国各地で展開され、地方の活性化につながることが期待される。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ