2024年10月7日
労務・人事ニュース
貸切バスの安全運行を徹底!覆面添乗調査で法令違反ゼロを目指す施策が開始
貸切バスの安全運行確保に向けて ~今年も覆面添乗調査を実施します~(国交省)
国土交通省は、貸切バスの安全運行確保に向けて、覆面添乗調査を実施しています。この取り組みは、平成29年度から継続して行われており、今年度も令和6年10月から令和7年2月にかけて行われます。覆面添乗調査とは、民間の調査員が一般利用者として貸切バスに乗車し、運行中の法令遵守状況を調査するものです。この調査により、通常の監査では確認が難しい運行実態を把握し、法令違反が疑われる事業者に対しては適切な指導や監査を行います。
貸切バス業界では、安全運行が求められているものの、依然として法令違反や安全管理の不備が指摘されています。そこで、国土交通省は事業者の法令遵守状況を確認するため、覆面調査を含むさまざまな監査を実施しています。例えば、営業所への臨店監査や観光地・空港などのバス発着場での街頭監査を行い、適切な運行が行われているかを確認しています。
覆面添乗調査の目的は、書類上では確認できない実際の運行状況を把握することにあります。たとえば、運行中に適切な休憩時間が確保されているかや、シートベルトの装着が適切に案内されているかといった点を確認します。また、長時間の運転においては交替運転者の配置状況も調査対象です。これらの調査により、運行における安全性が確保されているかをチェックし、安全運行に問題があると判断された場合は、速やかに改善を促す措置が取られます。
昨年度までの調査結果からも、重大な法令違反が確認された事業者には監査が行われ、その結果に基づき行政処分や改善指導が行われました。こうした取り組みによって、貸切バス業界全体の安全意識の向上が期待されています。覆面調査は、事業者に対する事前の通告が行われないため、日常的な運行実態を正確に把握することが可能です。そのため、事業者に対しては、日々の業務において法令を遵守し、安全運行を徹底することが求められます。
今年度の覆面添乗調査は、貸切バス事業者を対象に無通告で実施され、調査は国土交通省が委託した者によって行われます。主な調査項目には、区域外運送の有無や休憩時間の確保、シートベルトの装着案内および装着状況、交替運転者の配置状況などが含まれます。これらの項目は、バス運行における安全性に直結するものであり、国土交通省はこれらの調査結果をもとに、必要に応じて運輸局が指導や監査を行います。
貸切バス事業者にとって、法令遵守はもはや避けられない課題であり、利用者の安全を守るためには日々の業務改善が求められます。覆面添乗調査は、通常の書面監査では把握できない運行状況を確認できるため、事業者が常に適切な運行管理を行っているかを評価する重要な手段です。調査結果が公表されることで、事業者に対する社会的信頼の向上や、安全性に優れた企業の競争力強化にもつながるでしょう。
今回の覆面添乗調査は、貸切バス業界全体の安全性を高めるための重要な取り組みです。国土交通省はこの調査を通じて、早期に問題を発見し、安全運行の確保を目指しています。利用者の安全を守るためには、法令を遵守し、適切な運行管理を行うことが必要不可欠です。貸切バス事業者は、調査の結果を真摯に受け止め、必要な改善策を講じることが求められます。これにより、貸切バスの利用者が安心してサービスを利用できる環境が整い、業界全体の信頼性が向上することが期待されます。
また、貸切バスの利用が増加する観光地や空港周辺では、安全な運行が特に重要視されており、今回の調査が地域の交通安全にも貢献するでしょう。安全運行の確保は、貸切バス業界だけでなく、地域全体の交通インフラの信頼性向上にも寄与します。国土交通省は、引き続きこのような取り組みを通じて、安全で信頼性の高い貸切バスサービスの提供を推進していきます。
事業者にとっては、法令遵守の徹底とともに、運行の質を高めることが今後ますます重要になります。調査の結果を基に、具体的な改善策を講じることで、長期的な視点での安全運行体制の確立が求められています。特に交替運転者の配置や適切な休憩時間の確保は、ドライバーの疲労を防ぎ、事故のリスクを低減する重要な要素です。安全な運行を維持するためには、こうした基本的な対策を徹底することが不可欠です。
今後も国土交通省は、貸切バス業界の安全運行を支援するための施策を積極的に展開し、利用者が安心してサービスを利用できる環境づくりを推進していきます。事業者は、これらの取り組みに協力し、業界全体の安全性向上に貢献することが期待されています。安全運行の確保は、事業者の経営にも直結する課題であり、日常の運行管理が信頼性の向上やサービスの差別化に寄与することは間違いありません。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ