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2024年12月31日

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農業技術の革新がもたらす未来の変化とは?2024年に注目すべき農業分野の新技術とその影響

「2024年農業技術10大ニュース」の選定について(農水省)

令和6年12月20日、農林水産省は「2024年農業技術10大ニュース」を発表しました。この選定は、民間企業や大学、公立試験研究機関、国立研究開発法人による農業分野の研究成果の中で、特に優れた内容であり社会的関心が高いと評価された10の課題を農業技術クラブ加盟の専門紙・誌30社による投票を通じて選ばれたものです。

注目の成果として挙げられるのは、縦横の機械除草が可能になる「両正条植え」の技術です。この新技術により、水稲の苗を等間隔に植えることで、乗用除草機がタテとヨコの両方向に走行可能となり、省力的な機械除草が実現します。これにより、有機栽培の拡大が大きく期待されています。

また、自動抑草ロボット「アイガモロボ」は、水稲の有機栽培において画期的な効果をもたらしました。雑草の光合成を抑制する機能により除草作業を6割削減しながら、収量を約1割向上させた成果が実証されています。

果樹栽培においては、新品種のリンゴ「紅つるぎ」が話題です。このリンゴはコンパクトな樹姿で管理作業の省力化に寄与し、高糖度と良食味も兼ね備えています。

さらに、国内初の農業特化型生成AIの開発も注目されています。このAIは、高度な農業知識を活用し、全国規模で精度の高い情報提供が可能になる実証実験が開始されました。

他にも、天敵昆虫「タイリクヒメハナカメムシ」の行動特性を活用した育成や、収量を3割以上増加させた多収大豆品種「そらみずき」「そらみのり」、酪農家向けの低コスト飼料設計支援プログラムの開発など、多岐にわたる技術革新が農業現場を大きく変えつつあります。

また、鳥害対策として「ハウスにテグス君」が導入され、カラス被害を9割減少させる技術や、霜やひょうの発生をピンポイントで予測する高精度気象予測システムも、農業リスク管理を支える新たな取り組みとして評価されています。

最後に、遠隔診療サービス「アニマルック」は、家畜診療の効率化に寄与しています。このシステムは、診療予約や履歴管理、ビデオ通話による診療を一括で行うことが可能で、産業動物獣医師の不足対策や病原体の持ち込み防止にも効果を発揮します。

これらの技術革新は、農業分野の持続可能性や生産効率の向上、さらには労働負担の軽減に大きく寄与するものです。農業の未来を切り拓くこれらの成果が今後どのように普及していくのか、注目が集まります。

⇒ 詳しくは農林水産技術会議事務局研究企画課のWEBサイトへ

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