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2024年6月17日

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過労による精神的危機 管理職Aさんの精神科入院体験とそのプロセス

④入院している人が体験すること(厚労省)

精神科に入院している人がどのような体験をするかについて説明します。この内容は国立精神・神経医療研究センターの藤井先生が担当しています。精神科病院に対する理解を深めることは、入院患者の気持ちに寄り添い、話を聞く際に重要です。精神科の治療は外来や在宅で行われることが多いですが、入院が必要な場合もあります。入院治療が考慮されるのは、重い精神症状があり外来では対処できない場合、身体的な治療が必要な場合、自殺の危険が高い場合、他者に危害を加える危険性がある場合、そして環境を変えることが治療に有効な場合などです。

架空のケースとして、48歳の管理職Aさんの事例を紹介します。Aさんは過重労働や職場のストレスで精神的に追い詰められ、自殺を図りました。幸い、命に別状はなく救急搬送されましたが、重度のうつ病と診断され精神科病院に入院しました。入院に際しては、患者本人や家族、医療関係者の同意が必要です。

精神科病院には開放病棟と閉鎖病棟があり、患者の安全と治療を目的に行動制限が設けられることがあります。隔離や身体拘束、通信や面会の制限などが例として挙げられます。入院形態には任意入院、医療保護入院、措置入院があり、それぞれ入院の理由や手続きが異なります。

入院中の患者は身体検査や規則正しい生活を通じて治療が行われます。医師や看護師、作業療法士、精神保健福祉士など多職種がチームで患者のケアにあたります。最近では、精神障害を経験したピアサポーターが支援に加わることも増えています。入院者の退院後の生活をサポートする役割も重要です。

入院患者の権利を尊重しつつ、適切な治療を提供することは医療従事者にとっての課題です。患者の声をしっかりと聞き、信頼関係を築くことが大切です。外部の第三者が関与することで、患者の意見が反映されやすくなることもあります。

精神科病院の制度や治療プロセスについて理解を深めることは、患者の権利を守り、適切な治療を提供するために欠かせません。医療従事者は日々、様々なジレンマに直面しながら最善のケアを模索しています。患者とその家族の協力が、治療の成功にとって重要です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のYoutubeチャンネルへ

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