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2024年8月3日

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違法残業の是正勧告が11,610事業場に、月200時間超の残業が35事業場-厚労省発表

長時間労働が疑われる事業場に対する令和5年度の監督指導結果を公表(厚労省)

厚生労働省は、令和5年度に長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の結果を発表しました。労働基準監督署が実施した監督指導の結果、違法な時間外労働が確認された事業場の具体的な事例も公開されています。

令和5年度に監督指導が行われた事業場は26,117か所で、そのうち11,610か所(44.5%)で違法な時間外労働が確認されました。また、これらの事業場の中で月80時間を超える時間外・休日労働が認められたのは5,675か所で、違法な時間外労働の割合は48.9%に上ります。さらに、月100時間を超える時間外・休日労働が確認された事業場は3,417か所、月150時間を超える事業場は737か所、そして月200時間を超える事業場は35か所となっています。

賃金不払残業があった事業場は1,821か所(7.0%)、過重労働による健康障害防止措置が未実施の事業場は5,848か所(22.4%)でした。また、労働時間の把握が不適正であったために指導が行われた事業場は4,461か所(17.1%)です。

厚生労働省は、これらの結果を受けて、長時間労働の是正に向けた取り組みを積極的に推進する方針を示しています。特に11月に実施される「過重労働解消キャンペーン」期間中には重点的な監督指導を行う予定です。

具体的な事例として、倉庫業の事業場に対する監督指導の結果が挙げられています。この事業場では、業務繁忙と人手不足のために36協定で定めた上限時間を超える127時間の違法な時間外・休日労働が認められ、労働基準法違反として是正勧告が行われました。その後、取引先の理解を得て時間外労働削減の取り組みが進められ、最長でも月45時間にまで削減されました。

また、製造業の事業場においても長時間労働による健康障害の発生が認められ、労働基準監督署の指導により改善が行われました。具体的には、労働者の精神障害発症が確認され、固定残業代を超過する時間外労働に対する割増賃金が支払われていなかったことが判明し、是正措置が取られました。

これらの監督指導の結果は、労働者の健康を守り、労働環境の改善を図るための重要な一歩となるものです。厚生労働省は、今後も引き続き労働基準法の遵守を徹底し、適正な労働環境の実現に向けた取り組みを進めていくことを表明しています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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