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2024年7月11日

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郵便事業の現状と課題:2022年度赤字転落から見える未来戦略とJPビジョン2025+

情報通信審議会 郵政政策部会 郵便料金政策委員会(第1回)配布資料・議事 資料1-5 郵便事業の現状と今後の見通しについて(日本郵便株式会社)(総務省)

2024年7月、日本郵便は現状と今後の見通しについての資料を発表しました。現在、日本郵便は国内郵便の提供を続けており、そのサービスは多岐にわたります。第一種郵便物である書状などは最大で長さ60cm、長さと幅と厚さの合計が90cmまで対応可能で、重さは4kg以下です。また、郵便葉書や定期刊行物、盲人用点字なども取り扱いが可能で、特定の条件を満たせば様々な郵便物を扱えるようになっています。

しかしながら、郵便事業は2021年度まで黒字を維持していたものの、2022年度には赤字に転落しました。この赤字転落は、郵便物数の減少や営業費用の削減が難航したことによるものです。2022年度の郵便事業の収支は、営業収益が12,556億円に対し、営業費用は12,767億円で、営業損益はマイナス211億円となっています。

このような現状に対して、日本郵便はデジタル化の進展に伴い、郵便物数の減少が続いていることが課題となっています。郵便利用の拡大と業務の効率化を図るため、新たなサービスの提供や業務プロセスの見直しが求められています。特に、郵便配達はルート配達が基本であり、郵便物数の減少に柔軟に対応できないという硬直的な体制が大きな課題です。また、人的依存が大きく、近年は人材確保が難しくなっている点も問題となっています。

こうした状況を受けて、日本郵便は「JPビジョン2025+」を掲げ、郵便・物流事業の成長戦略を進めています。商品やサービスの改善による顧客満足度(NPS)の向上や営業体制の強化を図り、小型荷物を中心に荷量を増加させるとともに、効率的で強靭なオペレーションを構築し、荷物収益の拡大を目指しています。

郵便局窓口事業では、収益力の向上、郵便局の価値・魅力の向上、サービス品質の向上を目指し、デジタル技術と対面サービスを融合させた高品質なサービスの提供を進めています。これにより、地域住民の利便性を高めるため、公的証明書交付事務やマイナンバーカード関連事務、プレミアム付商品券販売事務、デジタル支援事務なども強化されています。

さらに、国際物流事業では、アジアを中心としたロジスティクス事業の成長やフォワーディング事業の収益性の改善を目指し、持続的な収益規模の拡大と収益性の向上を図っています。アジアでの収益拡大に向けては倉庫の新設・拡張や営業力の強化を進め、豪州での収益性改善にも取り組んでいます。また、フォワーディング事業では、取扱量の拡大と固定費の削減を目指しています。

2028年度までの郵便事業収支の見込みでは、郵便料金の改定により一時的に黒字に転じるものの、再び赤字になる見通しです。郵便物数は2022年度の144億通から2028年度には113億通に減少すると予想されており、年平均4.1%の減少が見込まれています。これに対して、日本郵便は人件費や運送費の効率化を進め、経営改善を図る必要があります。

総じて、日本郵便は現在、郵便物数の減少や収支の悪化という厳しい状況に直面していますが、「JPビジョン2025+」のもとで成長戦略を進め、収益性の向上と効率的なオペレーションの構築を目指しています。地域社会に貢献し続けるため、サービスの改善と業務の効率化に取り組む姿勢が求められています。

このような背景から、日本郵便はデジタル化の進展や労働力の確保難に対処しながら、新たなサービス提供や業務プロセスの見直しを進めています。これにより、郵便物数の減少に柔軟に対応し、収益性の向上を図ることが期待されています。具体的には、郵便局窓口事業の強化、国際物流事業の成長、効率的なオペレーションの構築などが進められています。

最終的に、日本郵便が掲げる「JPビジョン2025+」は、郵便・物流事業の成長戦略として重要な役割を果たしています。これにより、日本郵便は収益性の向上と効率的な業務運営を実現し、地域社会への貢献を続けていくことを目指しています。

参考:資料1-5 郵便事業の現状と今後の見通しについて(日本郵便株式会社)

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ