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2024年7月11日

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郵便事業の赤字、令和4年度に211億円に達し民営化以降初の赤字

情報通信審議会 郵政政策部会 郵便料金政策委員会(第1回)配布資料・議事 資料1-4 「郵便事業を取り巻く経営環境等の変化を踏まえた郵便料金に係る制度の在り方」について(総務省)

令和6年7月、郵政行政部は「郵便事業を取り巻く経営環境等の変化を踏まえた郵便料金に係る制度の在り方」についての報告を発表しました。インターネットやSNSの普及による郵便物数の減少や燃料費などの物価高騰が影響し、令和4年度の日本郵便の郵便事業は赤字となりました。これに伴い、日本郵便は令和6年10月1日から郵便料金の改定を行う予定です。改定後も郵便物数の減少が続く見込みであり、郵便事業の安定的な提供を確保するため、郵便料金に係る制度の在り方について検討が進められています。

検討項目としては、郵便事業を取り巻く経営環境の変化に対応した郵便料金制度の在り方、透明性と適正性のある郵便料金の算定方法、その他必要な事項が挙げられます。この検討は令和7年夏頃を目途に進められ、答申は2025年2月を予定しています。

日本の総人口は2010年代から減少傾向にあり、令和52年(2070年)には8700万人に減少すると予測されています。これに伴い、世帯数は増加している一方で平均世帯人員は減少しています。また、令和5年のインターネット利用率は約86%で、SNSの利用率は約81%と非常に高くなっています。これにより、郵便物数は平成13年度をピークに大幅に減少し、令和4年度には45%減少しました。

EC市場の拡大により物流量は増加しており、令和4年の物販系BtoC-EC市場規模は13兆9997億円に達しました。しかし、物価の高騰が続き、令和6年度から令和7年度にかけて消費者物価指数は上昇傾向が続く見通しです。日本郵便の郵便事業の収支は赤字が続いており、令和4年度には211億円の赤字を記録しました。

郵便料金の改定については、25g以下の定形郵便物の上限が「84円」から「110円」に引き上げられます。その他の料金も同様に30%程度の改定が予定されており、改定時期は令和6年10月1日です。これにより郵便事業の収支改善が期待されますが、収支の見通しは引き続き厳しい状況です。

日本郵便は業務効率化のために区分作業の機械化やテレマティクスの活用、適正な要員配置などの取り組みを進めています。また、手紙文化の振興や新サービスの創設、DM需要の喚起なども行われています。特に、若年層への手紙文化の普及活動や切手のデザインに工夫を凝らし、手紙の価値を広く伝える努力が続けられています。

今後も郵便事業の安定的な提供を確保するためには、経営環境の変化に柔軟に対応し、郵便料金制度の見直しや業務効率化、新サービスの提供など多角的な取り組みが必要とされています。郵便事業の未来を見据え、これからも適切な対応が求められるでしょう。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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