2024年12月7日
労務・人事ニュース
鉄道分野で初の特定技能外国人誕生!令和6年の歴史的転換点
誕生!!!鉄道分野初となる特定技能外国人! ~鉄道分野において「特定技能1号」の在留資格が初めて許可されました!~(国交省)
日本における鉄道分野で初めて「特定技能1号」に基づく在留資格が許可され、外国人労働者の新たな道が開かれました。この制度は、鉄道業界における人手不足への対応を目的として、令和6年3月に鉄道分野が特定技能制度に追加され、同年9月には具体的な基準が定められたことで、施行が可能となったものです。この新しい動きは、鉄道分野での外国人材の受け入れが本格的に始まる第一歩として注目されています。
令和6年11月27日、ベトナム国籍の一人が鉄道分野における「特定技能1号」としての在留資格を初めて取得しました。この外国人材は、車両製造業務を担当するため、兵庫県尼崎市に本社を置くサーミット工業株式会社によって受け入れられます。同社は航空機製造や電子部品製造、輸送機器関連の事業を展開しており、鉄道車両の製造においてもアルミ型材加工や車体組み立てといった専門的な作業を行っています。
特定技能制度は、一定の専門知識や技能を持ち、即戦力として期待される外国人材を広く受け入れる制度で、平成31年4月に開始されました。令和6年に鉄道分野が新たに対象産業として追加されたことにより、軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員といった業務区分において外国人材の採用が可能となりました。この制度の導入は、深刻な人手不足に直面している鉄道業界にとって大きな転換点となります。
今回の許可を皮切りに、鉄道業界では今後さらなる外国人材の活用が見込まれています。例えば、軌道整備や電気設備整備といった高度な技術を要する分野においても、国際的な人材が担う役割が拡大することが期待されています。これにより、業界全体の効率性が向上し、鉄道インフラの維持管理においても高いレベルの技術が維持されるでしょう。
サーミット工業株式会社は、今回の制度を活用した最初の事例として注目されています。同社が外国人労働者を受け入れることで、単なる人手不足の解消にとどまらず、新しい技術や知見の導入、さらには国際的な視野の拡大につながる可能性があります。日本の鉄道業界が世界に誇る技術をさらに強化するためには、このような国際的な人材交流の促進が重要です。
特定技能制度の施行にあたり、鉄道分野特有の基準が設定されています。これは、鉄道分野の特性に合わせたものとされ、外国人材の受け入れ企業に対して個別の条件が課されることで、業務の質を確保することを目指しています。このような基準が設けられることで、制度の適用範囲が明確化され、企業が安心して外国人材を受け入れる環境が整備されつつあります。
今回の取り組みは、日本が多様な背景を持つ人材を受け入れる国際社会の一員としての役割を果たす一助ともなり得ます。鉄道業界に限らず、特定技能制度の成功事例が増えることで、他の産業分野においても外国人材活用への理解が広がるでしょう。これは日本全体の競争力を強化する鍵となります。
今後の課題として、外国人材の受け入れ体制を強化するための教育やサポート体制の充実が求められます。また、文化や言語の壁を乗り越えるための取り組みも必要です。このような課題に向き合いながら、外国人材と共に成長する鉄道業界の未来が期待されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ