労務・人事ニュース

「GX推進のためのグリーン鉄研究会」を設置します（経産省）

経済産業省は、鉄鋼業における脱炭素化を推進するため、「GX推進のためのグリーン鉄研究会」を設置し、グリーン鉄の市場拡大に向けた方策の検討を始めることを発表しました。この研究会は、2024年10月から具体的な議論を開始し、早期にその成果を取りまとめる予定です。

鉄鋼業は、CO2排出量の削減が難しい産業の一つとして知られており、特に脱炭素社会の実現において、その取組が重要視されています。こうした背景から、経済産業省は、グリーン鉄製品を活用して鉄鋼業のGX（グリーントランスフォーメーション）を進めるための方策について、広範囲にわたる検討を行う方針を示しています。

現在、国内外でグリーン鉄製品の需要が高まりつつあり、これに応える形で企業や消費者がグリーン鉄を選択することで、鉄鋼業のGXが加速すると考えられています。「グリーン鉄」とは、製造過程でのCO2排出量を大幅に抑えた鉄鋼製品を指し、様々な製造プロセスが存在します。しかし、これらの製品の特徴や導入の意義について、消費者側にはまだ十分に知られていないため、研究会では需要家に対する適切な情報発信の方法を探ることが求められています。

今後、グリーン鉄市場をさらに拡大するためには、消費者や企業がこの製品を積極的に選択するように促すことが不可欠です。そのため、研究会では、需要家がグリーン鉄を選択しやすくするためのインセンティブや市場の課題を整理し、解決策を模索していくこととなります。

また、検討体制としては、鉄鋼業界の供給側と需要側の企業や団体の実務家をオブザーバーとして招き、さらに専門的知識を持つ有識者委員を含めた会議を設置します。これにより、各方面の知見を集めて多角的な視点からグリーン鉄の市場拡大に向けた議論を進める方針です。

鉄鋼業は日本の製造業において重要な役割を果たしており、同時に多くのCO2を排出する産業でもあります。この研究会を通じて、国内外の市場で求められるグリーン鉄の普及が促進され、鉄鋼業全体の脱炭素化が進むことが期待されています。経済産業省は、グリーン鉄の市場拡大を通じたGX推進により、持続可能な産業構造への転換を目指しています。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ