2024年8月21日
労務・人事ニュース
長崎労働局発表:新規高卒者の求人受理数4,109人、前年同期と同水準を維持
令和7年3月新規高等学校卒業予定者の求人受理状況(令和6年6月末現在)について(長崎労働局)
令和7年3月の新規高等学校卒業予定者に対する求人状況に関する報告が長崎労働局より発表されました。この報告によると、令和6年6月末現在における求人受理状況は前年同期とほぼ同水準であることが明らかになっています。具体的には、県内のハローワークに提出された求人数は4,109人分であり、これは前年の4,166人とほぼ同じ数値です。この安定した求人状況は、依然として人手不足感が強く、企業の採用意欲が高まり続けていることを示しています。
産業別に見ると、製造業での求人が前年同期比で8.8%増加しており、引き続き高い需要があることが確認されています。一方で、「生活関連サービス、娯楽業」では30.9%の大幅な減少が見られ、また「学術研究、専門・技術サービス業」でも11.7%減少していることが報告されています。このように、産業別の求人状況には大きなばらつきが見られるものの、全体としては依然として高い求人水準を維持している状況です。
また、職種別の求人状況についても分析されています。例えば、「技能工、採掘、製造、建築」といった職種では前年同期比で5.6%の増加が見られる一方、「サービス」職種では13.0%減少しており、職種による需要の変動が浮き彫りになっています。これらのデータから、企業の求める人材ニーズが業種や職種によって大きく異なることが伺えます。
さらに、令和6年3月に高等学校を卒業した学生の就職状況に関しては、就職率が98.6%と非常に高い水準を維持しており、これは10年連続で98%以上の就職率を達成していることになります。特に、県内での就職率が55.6%で、4年連続で55%以上を維持していることも注目されます。このことから、地元での就職を希望する学生にとっても安定した就職機会が提供されていることが示されています。
令和7年の新卒採用においても、企業側は引き続き積極的な採用活動を展開していることが明らかです。特に、製造業や建設業といった業種では、今後も求人の増加が見込まれると予想されます。しかしながら、サービス業や娯楽業といった分野では求人が減少傾向にあるため、これらの業種における人材供給には一部で課題が生じる可能性があります。
このような現状を踏まえると、企業の採用担当者にとっては、業種や職種別の求人動向をしっかりと把握し、自社のニーズに合った人材確保のための戦略を練ることが重要となります。また、求人市場の変化に柔軟に対応し、必要に応じて採用方針を見直すことも求められるでしょう。
特に、新規高等学校卒業者を対象とした採用活動では、早期に優秀な人材を確保するための取り組みが一層重要になります。企業としては、積極的な情報発信や、インターンシップの提供、さらには地元学校との連携強化など、さまざまな手段を通じて人材との接点を増やすことが効果的です。また、就職希望者の多様なニーズに応えるための柔軟な働き方やキャリアパスの提案も、採用競争において優位に立つための要素となります。
令和7年の新卒採用における求人動向は、全体としては安定しているものの、業種や職種によっては大きな変動が見られることが予測されます。特に、製造業や建設業といった分野での採用が引き続き活発である一方、サービス業や娯楽業では求人が減少していることから、企業は自社の業界の動向を踏まえた採用戦略の立案が求められるでしょう。加えて、地元での就職を希望する新卒者に対しても、地域との連携を強化し、地域に根ざした人材の育成を図ることが、企業にとっての長期的な競争力の向上につながると考えられます。
企業が今後も優秀な人材を確保するためには、求人の魅力を高めるための取り組みを強化し、また人材の多様性を尊重した柔軟な雇用形態を提供することが不可欠です。さらに、労働市場の動向を的確に分析し、タイムリーな採用活動を展開することで、長期的な人材確保に向けた基盤を築くことができるでしょう。
⇒ 詳しくは長崎労働局のWEBサイトへ