2025年2月20日
労務・人事ニュース
長野県の新規大学等卒業予定者就職内定率85.7%に上昇!(令和6年12月時点)
新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況 及び 新規大学等卒業予定者の就職内定状況 令和6年12月末現在(令和7年1月31日発表)
長野労働局が公表した最新の就職内定状況によると、新規大学等卒業予定者の就職内定率は全体的に上昇傾向にあるものの、一部の層では前年よりも低下が見られた。特に、R7年3月卒業予定者の就職内定率は85.7%と、前年度より1.7ポイント上昇したが、就職希望者数は減少していることがわかった。このデータから、企業の採用活動と学生の就職動向に一定の変化が生じていることがうかがえる。
各年度の就職内定状況を見ると、R3年3月卒業者の就職内定率は78.5%と低めだったが、R4年3月には80.0%へと上昇し、その後も安定した伸びを示している。R5年3月では81.9%、R6年3月では84.0%と続き、R7年3月ではさらに85.7%へと向上している。これは、新型コロナウイルスの影響が徐々に薄れ、企業の採用意欲が回復していることを反映していると考えられる。一方で、就職希望者数は前年よりも減少しており、求人数の増加と学生側の選択肢の広がりが関係している可能性がある。
また、男女別のデータを見ると、男性の就職内定率はR7年3月で84.9%、女性は86.3%となっており、女性の方がやや高い数値を示している。これは、近年の企業のダイバーシティ推進や、女性の就職支援策が功を奏している可能性がある。一方で、業種ごとに見ると、特定の分野では内定率の伸びが鈍化しており、職種や業界による格差が依然として残っていることも示唆される。
月別の内定率の推移を見ると、R7年3月卒業予定者の就職内定率は10月時点で71.6%、11月に80.5%、12月には85.7%と着実に上昇している。これは例年と同様の傾向で、12月末時点での内定率がその後も緩やかに上昇することが予測される。ただし、近年では最終的な内定率の到達点が高くなる傾向があり、企業側の採用戦略の変化が影響していると考えられる。
長野県内の企業にとって、このデータは今後の採用計画において重要な指標となる。特に、求人数が増加しているにもかかわらず就職希望者数が減少していることから、企業側はより積極的な採用活動を行う必要がある。従来の採用方法に加え、インターンシップやオンライン説明会を活用し、学生との接点を増やすことが求められる。また、女性の就職内定率が高いことを踏まえ、ダイバーシティ施策をさらに強化することも重要となる。
企業が採用を成功させるためには、給与や福利厚生の充実だけでなく、柔軟な働き方の提供やキャリアパスの明確化も鍵となる。特に、長野県内では都市部への流出を防ぐために、地域の魅力を伝える採用戦略が必要となる。若手人材が長期的に活躍できる環境を整えることで、地元企業の競争力を高めることができるだろう。
今後の動向としては、就職内定率が引き続き高水準を維持する可能性が高いものの、業種ごとに差が生じる可能性もある。特に、製造業や観光業などの人材確保が課題となる分野では、より柔軟な採用戦略を検討することが求められる。また、学生側の価値観の変化にも対応する必要があり、給与や安定性だけでなく、働きがいやライフワークバランスを重視した採用活動が重要となる。
企業がこれらの課題に適切に対応することで、長野県の雇用市場はより活性化し、若手人材の定着率向上につながることが期待される。採用担当者にとっては、最新のデータを活用しながら、より戦略的な採用活動を進めることが今後の鍵となるだろう。
⇒ 詳しくは長野労働局のWEBサイトへ