2025年2月19日
労務・人事ニュース
長野県の高校生採用動向 求人倍率2.95倍(令和6年12月時点)
新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況 及び 新規大学等卒業予定者の就職内定状況 令和6年12月末現在(令和7年1月31日発表)(長野労働局)
長野労働局が発表した最新の統計データによると、令和6年3月卒業予定の高校生に対する求人状況は、前年と比較してやや減少傾向にあることが明らかになった。求人数は7,672件と前年度比で2.6%減少し、一方で就職内定率は89.4%と若干低下した。これは全国的な労働市場の変化や地域経済の影響が反映された結果と考えられる。
長野県内の地域別のデータを見ると、北信地域の求人数は2,683件で前年比2.9%減少、東信地域では1,314件で3.9%減少となった。中信地域では1,377件と2.5%減少し、南信地域では2,298件で1.5%の減少に留まっている。求職者数と就職内定率の推移を踏まえると、地域ごとに求人状況や内定率に違いがあることがわかる。
産業別に見ても変動があり、特に製造業や建設業では一定の求人数を維持しながらも、内定率の変化がみられた。例えば、製造業の求人は3,253件で前年比2.7%減少しているが、就職内定者数はほぼ横ばいで推移している。これは、企業が引き続き一定数の人材を確保しようとしているものの、求職者の志向や企業側の選考基準の変化が影響している可能性がある。
情報通信業や卸売・小売業では求人減少が顕著だった。情報通信業の求人数は前年の44件から29件へと34.1%減少し、小売業では485件から487件とわずかながら減少傾向が見られた。一方、宿泊業・飲食サービス業では8.4%の求人増加がみられたが、就職内定率の伸びは限定的だった。これは観光需要の回復やインバウンド需要を見越した採用拡大が影響していると考えられる。
求人倍率の推移を見ると、令和6年3月卒の求職者に対する求人倍率は2.95倍と前年度比で0.25ポイント低下したものの、過去数年間の傾向と比較すると比較的高い水準を維持している。特に北信地域では求人倍率が3.75倍と高く、東信地域の3.00倍、中信地域の2.43倍と比べても求人数の多さが際立っている。
就職内定率の変化も注目すべき点である。令和6年3月卒業者の就職内定率は89.4%で、前年より0.5ポイント低下したものの、依然として高い水準を保っている。特に南信地域の内定率は94.3%と他の地域と比べても高く、求人数の減少にもかかわらず就職環境は比較的安定していることがうかがえる。
未内定者の数についてもデータが示されており、令和6年3月卒業予定の未内定者は260人と前年の265人よりわずかに減少した。これは、企業側の採用意欲が一定程度維持されていることや、就職希望者の早期決定が進んでいることを示している。
長野県内の新卒採用市場は、地域ごとの雇用状況や産業別の採用動向に影響を受けながらも、全体的には安定した傾向を維持しているといえる。特に、製造業や建設業、宿泊業・飲食サービス業では引き続き人材需要が高く、求職者にとっても就職の選択肢が多い状況が続いている。
企業の採用担当者にとっては、今後の採用計画を立てるうえで、地域ごとの雇用動向や業種別の求人動向を把握することが重要になる。特に、求人倍率の推移や内定率の変化を注視しながら、採用活動を進めることが求められる。
⇒ 詳しくは長野労働局のWEBサイトへ