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2025年3月11日

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電気・ガス業の平均月給は599,269円!前年比3.9%増で高給与を維持する業界の魅力(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)

毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第1表 月間現金給与額(厚労省)電気・ガス業

令和6年の毎月勤労統計調査によると、電気・ガス業の平均月間現金給与額は599,269円であり、前年比3.9%の増加が確認されている。この増加率は全産業平均の2.8%を上回るものであり、電気・ガス業界が安定した給与水準の上昇を続けていることが示されている。特に、基本給の増加とボーナスの伸びが業界全体の賃金上昇を支えている。

給与の内訳を見ると、基本給に該当する「きまって支給される給与」は467,055円で、前年比3.1%の増加が確認されている。これは、電気・ガス業界が安定した収益基盤を持つことを背景に、着実に賃金を引き上げていることを示している。特に、エネルギー需要が高まり続ける中、企業は熟練技術者やエンジニアの確保を優先し、人材の流出を防ぐために給与改善を進めていることがうかがえる。

また、時間外手当を含む所定外給与は410,285円で、前年比2.8%の増加となった。この数字から、業界全体の業務量が増加傾向にあることが示唆される。特に、再生可能エネルギーの普及やインフラ整備に伴う業務拡大が影響を与えている可能性がある。時間外給与の増加は労働負担の増大を意味するが、一方で、収入が安定している点は労働者にとって魅力的な要素となる。

さらに、特別に支払われた給与、いわゆるボーナスに該当する部分は132,214円で、前年比7.3%の増加を記録している。この増加率は他業界と比較しても高く、電気・ガス業界が従業員に対して厚待遇を維持しようとしていることがうかがえる。特に、電力会社やガス会社は安定した契約収入を持つため、業績に応じてボーナスを手厚く支給できる傾向がある。

他業界と比較すると、電気・ガス業の給与水準は極めて高く、鉱業・採石業(411,892円)や建設業(453,559円)、製造業(412,916円)と比較しても圧倒的に高い水準を維持している。特に、基本給の水準が高いことが特徴であり、長期的な雇用安定性を求める求職者にとって魅力的な業界となっている。

採用担当者にとって重要なのは、この給与水準がどのように人材確保に影響を与えるかである。電気・ガス業界は、高度な技術を持つ労働者を必要とするため、新卒採用だけでなく中途採用の強化が求められている。特に、電力ネットワークの維持やガス供給の安定性を確保するためには、経験豊富な技術者の確保が不可欠である。そのため、給与水準の向上だけでなく、キャリアパスの明確化やスキルアップ支援を打ち出すことで、競争力のある採用戦略を展開することが重要となる。

また、今後の課題として、労働時間の適正化と労働環境の改善が挙げられる。時間外手当の増加は、労働時間の長時間化を意味する可能性があるため、業務効率化を進めることが求められる。また、労働力の確保が難しくなる中で、外国人労働者の活用やリモートワークの導入など、新しい働き方を模索する動きも出てくる可能性がある。

企業の採用担当者にとっては、給与水準の高さを活かしながら、柔軟な働き方を提案することで、より多くの求職者を引きつけることができる。特に、電気・ガス業界はインフラを支える重要な役割を果たしているため、社会的な意義のある仕事である点もアピールポイントとなる。給与の高さに加え、働きがいのある環境を整備することで、長期的な雇用の安定につながる。

今後の展望として、電気・ガス業界はエネルギーの脱炭素化やスマートグリッドの導入など、大きな変革期を迎えている。そのため、技術革新に対応できる人材の確保が不可欠となる。企業は、給与面だけでなく、スキルアップの機会を提供し、時代の変化に適応できる人材を育成することが重要である。これにより、業界全体の競争力を維持しながら、労働力不足の課題を克服することが可能となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ