2024年6月22日
労務・人事ニュース
青少年の不適切利用リスク対応力、正答率80.7%で最も高い結果に

2023年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表(総務省)
総務省は2023年度の青少年のインターネット・リテラシーに関する調査結果を発表しました。この調査は、インターネット上のリスクや脅威に対する青少年の対応能力を把握するために実施されています。2011年度にテストが開発され、2012年度から毎年、高校1年生を対象に行われています。今年度は全国75校の13,108名の生徒が参加し、その結果が「2023年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」としてまとめられました。
この調査では、青少年がインターネットを安全に利用するためのリテラシー指標である「ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)」を用いています。ILASは、インターネット上の危険や脅威に対応する能力を測るもので、違法有害情報リスク、不適正利用リスク、プライバシー・セキュリティリスクの3つの大分類に分かれています。さらに、それぞれの大分類は7つの中分類に細分化され、多肢選択式の問題を通じて数値化されています。
2023年度の調査結果の概要によると、全体の正答率は71.4%で、前年の71.1%からわずかに上昇しました。しかし、プライバシー・セキュリティリスクに関する問題の正答率が68.8%と他のリスクに比べて低くなっています。中分類別では、不適切利用リスクに関する問題の正答率が80.7%で最も高く、不適正取引リスクに関する問題の正答率が59.6%で最も低い結果となりました。
また、アンケート結果によれば、家庭でスマートフォンやSNSの利用に関するルールがある生徒の正答率は、ルールがない生徒に比べて3.5%高く、フィルタリングを利用している生徒の正答率は利用していない生徒に比べて2.0%高いことが分かりました。フェイクニュースや生成AIに関する危険や注意点については、54.1%の生徒が学校の先生から教わった経験があり、生成AIに関しては26.7%でした。フェイクニュースに遭遇した際の対応としては、49.6%の生徒が他の人やメディアの意見をチェックし、43.9%が情報源を確認することを挙げています。
ICT機器を安心・安全に利用するための能力については、インターネットやテレビ、新聞を活用した自主学習で学んだ生徒の正答率が75.8%であり、全体の正答率よりも4%以上高い結果となっています。
これらの調査結果は、青少年がインターネットをより安全に利用するための教育や支援策の改善に役立てられることが期待されています。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ