2024年11月11日
労務・人事ニュース
青森県内の高卒就職希望者、就職内定率46.1%で前年同月比1.8ポイント減少
令和7年3月新規高等学校卒業予定者職業紹介状況(令和6年9月末)(青森労働局)
令和7年3月に卒業予定の高等学校生に対する職業紹介状況について、令和6年9月末時点での詳細が報告されました。これは青森労働局が行った調査結果を基に、地元の雇用情勢や就職希望者数、就職内定率などを分析したものです。ここでは、就職希望者の動向や業界別の求人状況、さらには県内と県外の就職内定率の推移について触れています。
まず、就職希望者数については、前年同月比でわずかに2人増加し、合計で1,864人となりました。これは過去2番目に少ない数字となっており、地元の雇用市場が引き続き厳しい状況にあることが伺えます。そのうち、県内での就職希望者数は1,140人で前年同月比38人増加しているものの、県外での就職希望者数は724人で36人減少しています。このような状況から、地元志向が若干強まっている一方で、県外での就職希望者が減少傾向にあることが見受けられます。
次に、就職内定者数は全体で1,016人と前年同月比で46人減少しました。特に県内での内定者数は526人で前年同月比2人減少、県外での内定者数は490人で44人減少しており、全体として就職内定率は54.5%となっています。これは前年同月比で2.5ポイント低下し、過去7番目の高水準であるものの、前年よりやや厳しい状況が続いていることがわかります。特に県内での就職内定率は46.1%で前年より1.8ポイント減少しており、県外での就職内定率も67.7%と2.6ポイント低下しています。
求人倍率についても触れておきましょう。県内での求人倍率は3.87倍で前年より0.27ポイント減少していますが、これは過去2番目の高水準です。求人倍率が高いことは、求人数に対して就職希望者が少ない状況を示しており、企業側が求める人材の確保に苦労している状況が浮き彫りになっています。県内求人数は4,408人で前年より157人減少しており、この減少は特に建設業や医療・福祉業界で顕著です。例えば、医療・福祉業界では51人減少して583人となっており、これは前年の同時期と比較しても大きな減少です。また、卸売業・小売業では73人の減少が見られ、これも業界全体の動向として注目すべき点です。
産業別の動向に目を向けると、建設業は引き続き好調で、9月末時点で求人は84人増加して1,130人となっています。この増加は、地域インフラ整備や住宅建設の需要増加が背景にあると考えられます。一方で、卸売業・小売業や医療・福祉業界、製造業などでは求人が減少しており、特に宿泊業・飲食サービス業では31人の求人減少が見られています。これは、観光業界が依然として厳しい状況にあることや、飲食業の人手不足が影響している可能性があります。
次に、労働局とハローワークの取り組みについても触れておきましょう。就職未内定者に対しては、ハローワークの職員や就職支援ナビゲーターが高等学校を訪問し、個別に職業相談を行うなどの支援が進められています。このような取り組みによって、就職希望者が安心して就職活動を行える環境作りが進められており、特に未内定者に対するフォローアップが強化されています。
過去のデータと比較しても、全体として就職内定率がやや低下傾向にあるものの、特に県外での就職内定率が依然として高いことが注目されます。これに対して県内での就職内定率は依然として低い水準にとどまっており、地域間での雇用格差が課題となっていることが浮き彫りになっています。
最後に、主要な都市別の求人状況にも目を向けると、青森市や八戸市、弘前市などの大都市圏では求人が安定している一方で、むつ市や黒石市などの小規模な都市では求人が減少しています。これにより、地域間での経済格差や雇用機会の不均衡がさらに拡大していることが懸念されます。特に、むつ市では求人が前年同月比で72人減少しており、これは地方都市における雇用機会の減少が顕著であることを示しています。
以上のように、令和7年3月卒業予定者に対する職業紹介状況からは、県内外での雇用情勢に変化が見られ、特に県外での就職内定率が依然として高い一方で、県内では求人倍率が高いにもかかわらず就職内定率が低迷しているという課題が浮き彫りになっています。今後も労働局やハローワークによる支援が求められるとともに、地域経済の活性化と雇用機会の均衡を図るための施策が重要となるでしょう。
⇒ 詳しくは青森労働局のWEBサイトへ