2024年9月3日
労務・人事ニュース
青森県 令和7年3月卒業予定の高卒者向け求人倍率2.95倍!地域別・職種別の求人動向に注目
令和7年3月新規高等学校卒業予定者求人・求職状況(令和6年7月末)(青森労働局)
令和7年3月に高等学校を卒業する予定の生徒を対象とした求人・求職の状況について、令和6年7月末時点のデータが青森労働局から発表されました。この発表によれば、青森県内の新規高卒者向け求人倍率は2.95倍で、統計が始まった平成8年3月卒業者以来、2番目に高い水準に達しています。しかし、求人倍率が高いことは求人数が充実していることを示す一方で、必ずしも全ての生徒が就職先を見つけられているわけではありません。
まず、県内の就職希望者数は1,407人で、前年同月比で42人増加しましたが、県外を希望する生徒は前年よりも65人減少し、557人となりました。全体としての就職希望者数は1,964人で、前年同月比で23人減少し、過去最少の水準となっています。これに対して、県内の求人数は4,150人で、前年同月比で57人減少しています。これにより、県内の求人倍率は2.95倍となり、前年より0.13ポイント減少したものの、依然として高水準を保っています。
産業別に見た場合、建設業では前年同月比で100人増加し、1,041人の求人がありました。これに対して、医療・福祉分野では50人減少し、544人の求人となりました。また、卸売業・小売業では37人減少し、608人の求人が出ています。産業別の動向からは、特定の分野において求人が増加している一方で、他の分野では減少傾向が見られ、就職活動を進める際には業種や職種の選択が大きな影響を及ぼすことがわかります。
地域別に見ても、求人の状況は地域差があります。例えば、八戸地区では求人数が前年よりも4人減少しており、1,731人の求人がありました。一方で、弘前地区では前年よりも33人増加して345人の求人が出ています。特に、十和田地区や五所川原地区では求人数がそれぞれ37人増加し、304人、154人の求人が見られました。このように、地域ごとの求人状況は一様ではなく、生徒が希望する就職先がどの地域に多いかを考慮することが重要です。
職業別の求人状況に目を向けると、専門職や技術職、管理職に対する求人が前年よりも50人増加し、557人の求人が出ています。これに対して、販売職やサービス職はそれぞれ22人、36人の減少が見られます。また、理容・美容師や調理師見習いといった職種では求人が増加している一方、飲食店の店員などの求人は減少傾向にあります。これらのデータからは、特定の職種において求人が安定している一方で、他の職種では厳しい状況が続いていることが伺えます。
総じて、青森県内の高卒者向け求人倍率は依然として高水準を維持しているものの、業種や地域によって求人の増減が顕著に現れており、生徒たちが希望する職業や勤務地によって就職活動の難易度が異なることがわかります。特に、建設業や専門職においては求人が増加している一方で、医療・福祉や卸売業、小売業といった分野では減少傾向が見られ、生徒たちが進路を選択する際にはこれらの業界動向を考慮する必要があります。また、地域ごとの求人状況も重要な要素であり、生徒たちがどの地域で働きたいかを明確にすることが、成功する就職活動に繋がるでしょう。
これらの状況を踏まえて、企業の採用担当者にとっては、今後の採用活動において特定の職種や地域に対する求人を強化することが求められます。特に、高校卒業予定者に対する求人を行う際には、地域ごとの労働市場の動向を把握し、適切な求人活動を行うことが、優秀な人材を確保する鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは青森労働局のWEBサイトへ