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2024年8月14日

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静岡県内の最新雇用情勢:有効求人倍率1.09倍の現実と企業が採用戦略で考慮すべき点

職業安定業務月報(令和6年6月分)(静岡労働局)

令和6年6月の静岡県内における雇用情勢について、最新のデータを基にした詳細な分析を提供します。この情報は、企業の採用担当者が現在の労働市場の状況を把握し、戦略的な採用計画を立てるために非常に重要です。

まず、有効求人倍率についての詳細です。令和6年6月の静岡県全体の有効求人倍率は1.09倍となり、前月の1.11倍からわずかに減少しました。これは、全国平均の1.23倍を下回る値であり、県内の雇用情勢に若干の厳しさが見られることを示しています。具体的には、静岡県内の有効求人数が61,212人であり、前月比で1.0%減少しました。一方で、有効求職者数は56,105人であり、前月比で0.9%増加しています。このデータは、求職者が増加している一方で、求人が減少していることを示しており、労働市場の需給バランスが若干崩れている状況を反映しています。

地域別の有効求人倍率に目を向けると、静岡県内の各地域での状況が見えてきます。東部地域では1.05倍、中部地域では1.11倍、西部地域では0.96倍と、全ての地域で前年度同月比で低下しています。特に西部地域では1倍を下回る倍率であり、労働市場がやや厳しい状態であることが伺えます。

職業別の有効求人倍率についても注目すべき点があります。保安の職業は7.10倍、建設・採掘の職業は6.05倍、介護関連の職業は4.02倍と非常に高い倍率となっています。これらの職業では、求人に対して求職者が少ない状況が続いており、採用の難易度が高まっていることを示しています。一方で、事務職の倍率は0.42倍と低く、求職者が多く、競争が激しい職種であることがわかります。

正社員に限った有効求人倍率も分析に含めるべきです。令和6年6月時点で、静岡県の正社員の有効求人倍率は0.96倍となり、前年同月比で0.08ポイント低下しました。正社員の有効求人数は31,249人で、これも前年同月を下回る数値となっています。このデータからは、正社員の求人が減少傾向にあり、企業が慎重な採用活動を行っていることが読み取れます。

新規求人の状況についても重要な指標です。令和6年6月の新規求人倍率は1.92倍で、前月比で0.07ポイント低下しました。また、新規求人数は19,554人で、前年同月比で14.3%減少しています。この減少は、特に建設業や製造業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などで顕著であり、これらの業種における新規採用が減少していることを示しています。

さらに、事業所規模別に新規求人の状況を分析すると、100~299人規模、500~999人規模の事業所で前年同月を上回る求人が見られましたが、全体的には減少傾向が続いています。特に、300~499人規模の事業所では求人が28.2%減少しており、中規模企業においても採用活動が抑制されている可能性が示唆されます。

雇用保険に関連するデータも見逃せません。令和6年6月の雇用保険資格喪失者数は13,666人で、前年同月比で7.1%減少しました。しかし、事業主都合による離職者数は803人で、前年同月比で14.9%増加しています。この増加は、企業がコスト削減や組織再編のために人員整理を行っている可能性を示しています。

全体として、静岡県内の雇用情勢は、求人倍率の低下や新規求人数の減少など、いくつかの厳しい側面が見られます。一方で、特定の職業や地域では依然として求人のニーズが高く、企業が特定分野での人材確保に苦戦している状況が浮き彫りになっています。採用担当者はこれらのデータを参考に、より効果的な採用戦略を立てる必要があります。

このような詳細なデータ分析に基づき、企業は自社の採用活動を見直し、競争力を高めるための適切なアプローチを考えることが重要です。

⇒ 詳しくは静岡労働局のWEBサイトへ

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