2024年11月26日
労務・人事ニュース
韓国からの訪日客、98.3%増加の記録更新!背景に地方路線の拡充
2024年7-8月/市場動向トピックス(JNTO)
2024年7月から8月にかけて、日本政府観光局(JNTO)は訪日観光の復興を目指し、主要市場での積極的なプロモーション活動を展開しました。各国の市場動向やプロモーション内容を総括すると、訪日外客数が多くの国で過去最高を記録し、円安や航空便の増加などがその背景にあるとされています。さらに、SNSやウェブサイトを活用した情報発信、地方誘客を目的としたプロモーション、インフルエンサーや旅行会社の招請といった多様な取り組みが展開されました。
韓国市場では、2024年7月の訪日韓国人数が75万7700人、8月が61万2100人に達し、2019年同月比でそれぞれ34.9%増、98.3%増という記録的な伸びを見せました。この成果の一因として、済州=成田間の復便や仁川=那覇間の増便など、地方路線を含む航空便の増加が挙げられます。JNTOソウル事務所のInstagramは、韓国最大のソーシャルインターネットサービス授賞行事「SOCIAL i-AWARD 2024」で大賞を受賞するなど、SNSを通じた情報発信が高い評価を受けています。
一方、中国市場では水際規制の緩和や地方路線の増便が追い風となり、訪日客数が堅調に回復しました。2024年7月には77万6500人、8月には74万5800人が訪日し、それぞれ2019年同月比で26.1%減、25.5%減とまだ完全回復には至っていませんが、着実な増加傾向が見られます。能登半島地震からの復興を目的とした旅行会社招請や、南九州をテーマにしたインフルエンサーによるライブ配信など、多様なプロモーションが実施されました。
台湾市場では、2024年7月の訪日台湾人数が57万1000人、8月が56万4300人となり、それぞれ2019年同月比で24.5%増、34.3%増と過去最高を記録しました。台風による一部影響があったものの、地方路線の増便やスクールホリデーの効果が寄与した結果です。台湾の人気バラエティ番組とのタイアップ動画や、台北でのオフラインイベントが成功を収め、日本の地方の魅力を広くアピールしました。
香港市場も同様に、訪日外客数が過去最高を記録しました。2024年7月には27万9100人、8月には24万6600人が訪日し、前年同期比でそれぞれ28.7%増、29.6%増となっています。JNTO香港事務所は、香港ブックフェア2024への出展や、北陸地域へのインフルエンサー招請を実施するなど、多岐にわたるプロモーション活動を行いました。
他の東南アジア諸国においても、タイでは高付加価値旅行促進のための旅行会社招請が実施され、シンガポールでは航空会社との共同広告や旅行博「NATAS HOLIDAYS 2024」への出展が行われました。マレーシアでは中華系旅行業協会が主催する旅行即売会に出展し、若年層を中心に招請地域の認知を高める取り組みが行われました。
北米市場では、アメリカやカナダからの訪日観光客数が過去最高を記録し、円安や物価の割安感、航空便の増加がその背景にあるとされています。特にアメリカ市場では、2024年7月に25万1200人、8月には17万4000人が訪日しました。ロサンゼルスでは高付加価値旅行をテーマとした大型招請事業が実施され、参加者の多くが地方への関心を示しました。
欧州市場では、フランス、ドイツ、イタリアなどからの訪日客数が着実に増加しています。フランスではヨーロッパ最大級のBtoCイベント「Japan Expo」に出展し、訪日旅行のプロモーションを行いました。ドイツでは、北海道でのアウトドア活動をテーマにしたメディア招請が実施され、訪日観光の多様な魅力が紹介されました。
これらの取り組みは、訪日観光の復興を図る上で重要な役割を果たしており、各市場の特性に応じたプロモーション活動が、今後のさらなる訪日需要の創出につながることが期待されます。
⇒ 詳しくは日本政府観光局のWEBサイトへ