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2024年12月17日

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食品ロス削減の新提案、視認率90%以上のクリエイティブが示した効果

「2025年大阪・関西万博に向けた食品ロス削減実証事業」の報告書を公表しました。(消費者庁)

2025年大阪・関西万博に向けた食品ロス削減の実証事業は、持続可能な社会を目指す一環として、食品ロス問題に対する消費者の意識を向上させる取り組みを実施しました。この事業は、来場者に食品ロス削減の重要性を訴える効果的な方法を検討し、実際の万博会場で使用するクリエイティブを作成することを目的としています。

調査は3つの段階に分かれて行われました。最初のステップでは、消費者向けのWeb調査を実施し、ターゲット層の食品ロスに対する意識や取り組みの実態を把握しました。この調査には全国の20~69歳の楽天ぐるなび会員1,000名が参加し、設問数は30問、性別や年代別に集計が行われました。その結果、約55%の人々が食品ロス問題を「ある程度知っている」と回答し、「よく知っている」と答えた人は36%でした。一方で、「あまり知らない」または「全く知らない」と答えた割合は約10%に留まり、全体として認知度は比較的高いことがわかりました。

また、外食時に食品ロスを意識する人の割合は67%で、家庭内での意識と比べてやや低い傾向にありました。特に若い男性では食品ロス削減への意識が低いことが明らかになりました。食べ残しの理由としては「一品あたりの量が多かった」が最も多く、次いで「美味しくなかった」が挙げられました。これらのデータは、消費者が適切な量を注文する重要性を理解するための具体的なメッセージを伝える必要性を示しています。

調査の第二段階として、選定されたクリエイティブ案を基に出口調査が行われました。設置場所やツールの効果を確認するため、東京・羽田イノベーションシティ内の飲食店で、実際に食事をした人々を対象にヒアリングが実施されました。この調査では150件の回答が得られ、設問数は10問程度で、参加者には500円分のQUOカードが謝礼として渡されました。

出口調査の結果、掲示物を視認した人の割合は90%に達し、「きれいに完食するだけで喜んでくれる人がいます」というキャッチコピーを掲げた掲示物が最も高い視認率を記録しました。この掲示物は特に「残さずに食べるようにした」という態度変容を促し、ポジティブな意見が多く寄せられました。「手を合わせる=いただきます」という日本特有の所作が温かみを感じさせ、多くの来場者に支持される結果となりました。

さらに、掲示物が視認されるタイミングとしては、メニュー選択時が最も多く、設置場所としてはテーブルやメニュー周辺が効果的であることが示されました。これに基づき、2025年大阪・関西万博の会場では、テーブル周りやオーダー時に目につく場所への掲示物の設置が推奨されるとされています。

総括として、このプロジェクトは来場者に食品ロス削減の重要性を効果的に伝えるための具体的な手法を提示しました。クリエイティブの中で最も評価の高かった案は、視認率、態度変容率、そして食べ残しの減少において他の案を上回り、実際の万博会場でも有効であると期待されています。この成果は、飲食業界やイベント主催者にとって、持続可能な社会実現のための一助となることでしょう。

⇒ 詳しくは消費者庁のWEBサイトへ

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