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2025年3月12日

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飲食サービス業等の平均月間実労働時間は88.6時間!前年比2.5時間減(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)

毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)飲食サービス業等

令和6年の毎月勤労統計調査によると、飲食サービス業等の平均月間実労働時間は88.6時間で、前年比2.5時間の減少が確認された。この減少は、業界全体での労働時間短縮の取り組みが一定の成果を上げていることを示している。特に、営業時間の短縮やシフト管理の見直し、業務の自動化が進んだことが影響していると考えられる。

内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は83.4時間で、前年比2.4時間の減少となった。この減少は、企業が従業員の労働時間を適正に管理し、業務の効率化を図る動きが進んでいることを示している。特に、大手チェーン店などでは、セルフレジやモバイルオーダーの導入、店舗運営のオペレーション最適化により、少ない労働時間で業務を回せる環境が整ってきている。一方で、小規模店舗や個人経営の飲食店では、依然として人手不足の影響で長時間労働が求められるケースもあり、業界全体での労働環境の改善には課題が残っている。

一方、所定外労働時間(残業時間)は5.2時間で、前年比2時間の減少が見られた。このデータから、飲食サービス業等の分野では残業時間の削減が加速していることが分かる。特に、飲食業界では人手不足が深刻化する中で、営業時間の短縮や業務の効率化を進めることで、労働時間の適正化を図る動きが広がっている。飲食サービス業は従来、ピークタイムに業務が集中するため、従業員が長時間勤務を余儀なくされるケースが多かったが、最近では労働環境の改善が進みつつある。

月間出勤日数については、13.5日で前年より0.2日減少している。この減少は、飲食サービス業等においても柔軟な働き方の導入が進んでいることを示唆している。特に、週休2日制の定着が進むことで、従来よりも出勤日数が減少しつつある。ただし、繁忙期には依然として出勤日数が増える傾向があり、業務の平準化が今後の課題となっている。

企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進む中で、どのように業務の効率化と人材確保を両立させるかという点にある。飲食サービス業等は、接客や調理など、多岐にわたる業務が求められる業界であり、労働時間の適正化を進めながらも、従業員のモチベーション維持やサービス品質の向上が求められる。そのため、企業は給与体系の見直しや、スキルアップ支援を行うことで、人材確保に努めることが重要になる。

また、今後の課題として、労働時間の短縮とサービス向上の両立が求められる。特に、飲食サービス業等では、人手不足の影響で従業員の負担が増加する傾向にあり、長時間労働を完全に解消することが難しい状況が続いている。そのため、セルフレジの普及やオンライン注文システムの活用など、新しい技術を導入することで、労働環境の改善を図ることが求められる。

今後の展望として、飲食サービス業等はデジタル技術の進展により、大きな変革が進む業界の一つである。特に、キャッシュレス決済の普及や自動化技術の導入が進むことで、業務の効率化が加速すると考えられる。一方で、対面接客の重要性も引き続き求められるため、企業は、労働時間の適正化を進めながらも、顧客満足度の向上を目指すことが必要となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ