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2025年2月20日

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香川県の高卒就職内定率92.5%!(令和6年12月時点)

令和7年3月新規学校卒業者の求人・求職・就職内定状況について(令和6年12月末現在)(香川労働局)

香川労働局が発表した最新の新規学校卒業予定者の就職状況によると、2025年3月に卒業予定の高校生の就職内定率は92.5%であり、前年同期比で0.7ポイント低下している。一方で、大学新卒者の就職内定率は78.1%と、前年同月比で2.8ポイント上昇しており、大学生の就職活動は前年よりもやや良好な状況となっている。

高校新卒者の求職者数は1,073人で、前年と比較して0.9%減少しているが、企業からの求人数は4,587人と前年より0.6%増加している。これにより、高校新卒者の求人倍率は4.27倍となり、一人あたり約4.27件の求人がある計算になる。このデータからもわかるように、新卒者の採用市場は売り手市場の状況が続いており、企業側の人材確保の意欲が高いことが見て取れる。ただし、就職内定者数は993人と前年より1.6%減少しており、未内定者数は80人と前年より8.1%増加している。これは、求人数の増加に対して求職者の減少が続いていることが要因の一つと考えられる。

大学新卒者の求職者数は1,235人で、前年より5.0%減少している一方で、企業からの求人数は90,669人と15.0%の増加を記録している。特に、県内の求人数が2,865人であるのに対し、県外企業からの求人は87,804人と圧倒的に多く、大学新卒者の就職先の選択肢は全国規模で広がっていることがわかる。就職内定者数は964人で、前年より1.5%の減少が見られるが、就職内定率は78.1%と前年を上回る結果となった。これにより、県外企業への就職を希望する学生が増えていることが推察される。

求職者の減少は、少子化の影響が大きく関係していると考えられる。2025年3月に卒業予定の高校生は8,001人で、前年の8,028人から微減している。大学卒業予定者数は2,796人で前年より増加しているものの、全体としては卒業生の数が減少傾向にある。このため、企業が新卒採用においてより多くの求人を出しても、求職者の減少によりマッチングが難しくなっていると考えられる。

こうした状況に対応するため、香川労働局は未内定者の就職を支援する取り組みを強化している。新卒者向けの就職支援として「高松新卒応援ハローワーク」を中心に、県内の各ハローワークに就職支援ナビゲーターを配置し、個別のキャリアサポートを行っている。この支援では、学校と連携した職業相談の実施、自己理解を深めるための適性検査の提供、最新の求人情報や企業情報の提供、希望に沿った求人開拓や事業所見学のサポート、模擬面接や履歴書の添削、採用後のフォローアップなど、多岐にわたるサポートが用意されている。こうした支援を通じて、求職者と企業とのマッチングを促進し、より円滑な就職活動の実現を目指している。

高卒と大卒の就職環境には大きな違いがある。高校新卒者の求人倍率は4.27倍と安定しており、県内企業の採用意欲も高い状況にある。一方で、大学新卒者の求人倍率は73.42倍と極めて高く、特に県外企業の求人が多いことが特徴的である。大学生の求職者数が減少しているため、一部の業界では採用の難しさが増している可能性がある。

香川県内の企業にとって、新卒者の採用競争は年々厳しくなっていることが明らかである。特に、大卒者は県外企業への就職意向が強く、県内企業が優秀な人材を確保するためには新たな施策が求められる。採用活動の成功には、インターンシップの強化、県内企業の魅力発信、待遇や働き方の見直し、ハローワークとの連携強化、就職後のフォローアップなどが鍵となる。例えば、長期インターンシップを通じて学生と企業の相互理解を深めることで、早期の内定確保につなげることが可能である。また、香川県内でのキャリア形成の魅力を伝えることにより、県外就職を希望する学生に対して地元企業の選択肢を示すことができる。さらに、給与や福利厚生の見直し、リモートワークやフレックスタイム制度の導入なども若手社員の定着につながる施策となる。

今後も少子化の影響が続くことで、新卒採用市場の構造は変化していくと予想される。従来の採用手法だけでは十分な人材確保が難しくなるため、企業側も新たなアプローチを模索し続ける必要がある。特に、県外企業との競争が激化しているため、地元でのキャリア形成の魅力を発信し、若者が香川県内で働くことのメリットを強調することが求められる。そうした取り組みを積極的に行うことで、企業は優秀な人材の確保が可能となり、地域経済の発展にも貢献することができる。

⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ