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2024年11月11日

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高卒者内定率69.8%に上昇!福島県内外の就職状況と今後の課題

令和7年3月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(令和6年9月末現在)(福島労働局)

令和7年3月に高等学校を卒業する新規高卒者の就職状況が、令和6年9月末時点で発表されました。福島労働局による調査では、就職内定率が69.8%で、前年同月に比べて0.8ポイントの上昇が確認されています。一方で、就職内定者数は2,335人で前年より1.4%減少し、就職未内定者数は1,008人と前年より5.2%減少しています。求人に関しては、総数9,060件で、前年同月比0.2%の微増となりました。これは、地域経済の回復を反映している一方で、県内受理求人に対する就職割合が69.4%と、前年同月より2.0ポイント減少していることが分かります。内定率は上昇しているものの、全体的な就職活動の厳しさを示すデータです。

具体的な産業別の求人動向を見ると、製造業が全体の約39.9%を占め、続いて建設業が20.1%、卸小売業が12.0%、医療・福祉分野が8.0%となっています。これらの業界が主要な雇用の受け皿となっていますが、他に分類されないサービス業や宿泊・飲食サービス業、運輸・郵便業といった分野も一定の求人を提供しています。特に、製造業の求人数は前年度比で微減していますが、依然として県内最大の雇用セクターです。

福島県内では、就職希望者の約69.4%が県内での就職を希望していますが、県外での就職を希望する生徒も一定数存在します。特に県内ハローワークで受理された求人に対しての就職率は65.1%となっており、前年とほぼ同水準です。一方、県外ハローワークでの就職率は83.7%で、前年より1.3ポイント上昇しています。これにより、県外就職希望者にとっては比較的有利な環境であることが伺えます。

地域別に見ると、県内の中通り地域では、求人倍率が2.71倍と非常に高い水準にあります。これは、企業が求職者数に対して多くの求人を出していることを示しており、地域の企業活動が活発であることを反映しています。会津地域でも求人倍率は2.61倍、浜通り地域では2.78倍と高い数値が出ていますが、求職者数が減少していることから、求職者にとっては依然として厳しい就職環境であると言えます。

就職内定率の上昇に伴い、県内外の企業が引き続き新卒者の雇用に積極的であることが確認されています。しかし、全体的な求職者数や求人の動向から見て、企業側と求職者側のニーズのミスマッチが依然として存在していることも示唆されています。特に、県内就職希望者が減少していることや、未内定者数が減少している一方で、県外就職を希望する生徒が増加傾向にある点は注目に値します。

さらに、業界別の内定率を詳細に分析すると、製造業が依然として高い雇用吸収力を持っている一方で、医療・福祉分野やサービス業などの業界では内定率が低めに推移しています。この背景には、地域経済の多様化や人手不足の問題があると考えられます。特に、県外に目を向けた就職活動を行う生徒が増えていることから、地元の魅力をいかに高め、若者が地域に定着する環境を整備するかが重要な課題となっています。

福島労働局は、このような状況を踏まえ、今後も地域の雇用環境の改善に向けた取り組みを強化する方針です。具体的には、産業別や地域別の求人動向を詳しく分析し、就職希望者のニーズに合った求人情報を提供することが求められています。また、地元企業と連携して、インターンシップや職場体験の機会を増やし、若者が地元で働く魅力を実感できるような取り組みを進めることが重要です。

加えて、地域間での雇用格差を縮小するための支援も今後の課題です。例えば、浜通り地域では求人倍率が高いにも関わらず、就職希望者が少ないという現状があります。このため、福島労働局は、地域の魅力を発信するためのイベントやセミナーを開催し、若者に対する情報発信を強化することを検討しています。また、企業側も、柔軟な働き方や研修制度を充実させ、若者が長期的に働きやすい環境を提供することが求められます。

このような背景を踏まえ、今後の就職活動においては、求職者自身も積極的に情報収集を行い、自分に適した就職先を見つけるための努力が重要です。また、企業側も若者を育成し、地域に定着させるための長期的な視点に立った人材戦略を進める必要があります。

以上のように、令和7年3月に高等学校を卒業する生徒たちの就職活動は、一定の成果を上げているものの、地域や業種によっては依然として課題が残されています。今後も、地域経済の活性化と若者の就職支援に向けた継続的な取り組みが求められています。

⇒ 詳しくは福島労働局のWEBサイトへ

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