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2025年1月8日

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高年齢者雇用実施率99.9%の石川県、65歳以上の就業確保策は31.7%に(令和6年6月1日時点)

令和6年 石川県内の高年齢者の雇用状況の集計結果(石川労働局)

令和6年12月20日、石川労働局より発表された高年齢者雇用状況等報告によると、石川県内における65歳および70歳までの高年齢者雇用確保措置の状況が明らかになりました。この調査結果は、21人以上の従業員を雇用する2,556社の企業を対象に、令和6年6月1日時点での取り組み状況を基にまとめられたものです。

65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は、全体の99.9%を占めており、前年から0.3ポイント増加しました。この結果から、多くの企業が法的な義務に基づき、65歳までの雇用継続のための仕組みを導入していることが分かります。その内訳を見ると、「継続雇用制度」を採用している企業が70.8%と最も多く、次いで「定年の引き上げ」を実施している企業が25.7%、さらに「定年制の廃止」を選択している企業が3.6%となっています。この中で特に注目されるのは、継続雇用制度の中で希望者全員を対象とする仕組みを導入している企業が85.5%に達していることです。これにより、ほぼすべての企業が高年齢者の安定した雇用を確保しているといえます。

一方、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は31.7%にとどまっており、65歳までの措置と比べて実施率が大きく低い状況が明らかになりました。ただし、この数字は前年から1.6ポイント増加しており、徐々に取り組みが進んでいることが分かります。中小企業では31.9%、大企業では28.9%が70歳までの措置を実施しており、大企業における伸び率は比較的小さいものの、着実な進展が見られます。

また、70歳までの措置の具体的内容を見てみると、最も多いのは「継続雇用制度」で26.4%、次いで「定年制の廃止」が3.6%、「定年の引き上げ」が1.8%となっています。一方で、「創業支援等措置」を導入している企業はゼロとなっており、就業確保の手段としてはまだ普及していないことが分かります。

定年制に関しても興味深いデータが得られました。65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止企業を含む)は全体の29.2%で、前年から1.5ポイント増加しています。この中で、「65歳定年」を設定している企業は22.9%と大部分を占めており、次いで「66歳から69歳」を定年とする企業が1.0%、「70歳以上」を定年とする企業が1.8%と、より高い年齢を定年とする企業はまだ少ない状況です。

高年齢者雇用を推進するためには、法令の遵守だけでなく、企業が積極的に雇用環境を整備することが重要です。石川労働局やハローワークでは、このような措置を実施していない企業に対し、必要な指導や助言を続けていく方針を示しています。また、希望者全員を対象とする継続雇用制度を導入する企業が増加している一方で、特定の基準を設けて対象者を限定する制度も存在しています。この基準に基づき雇用が継続される割合は94.2%で、前年から1.1ポイント増加しており、継続雇用の質も向上していると言えます。

石川県内におけるこの調査結果は、全国的な動向とも一致しており、全国では65歳までの雇用確保措置の実施率が99.9%、70歳までの措置の実施率が31.9%となっています。これらのデータは、企業が高年齢者の就業を確保するための取り組みを進めている一方で、70歳までの就業機会の提供がまだ限定的であることを示しています。

このような状況の中で、今後の課題としては、企業が高年齢者の多様な働き方に対応する仕組みを整えることや、70歳までの就業確保措置の普及をさらに推進することが挙げられます。また、創業支援等措置をはじめとした新たな取り組みを導入することで、働き方の選択肢を広げ、さらなる高年齢者の雇用促進が期待されます。

⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ

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