労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 高校生の就職内定率77.3%、地域別では愛知県が88.9%、沖縄県は51.5%の大きな格差を示す(令和6年10月末現在)

2024年12月25日

労務・人事ニュース

高校生の就職内定率77.3%、地域別では愛知県が88.9%、沖縄県は51.5%の大きな格差を示す(令和6年10月末現在)

令和7年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和6年10月末現在)に関する調査について(文科省)

令和7年3月卒業予定の高等学校生徒の就職内定状況に関する調査結果が発表されました。この調査は、就職を希望する高校生の就職活動を適切に支援するための重要なデータを提供するものです。全国の国立、公立、私立の高等学校を対象とし、10月末時点の状況が取りまとめられました。特に注目すべき点は、全体的な就職内定率が前年同期比でわずかに上昇したことと、地域や学科による内定率の差が顕著であることです。

今回の調査では、卒業予定者総数が94万人を超える中で、就職を希望する生徒は約12.8万人と報告されています。そのうち、内定を得た生徒は約9.9万人で、就職内定率は77.3%に達しました。この数字は、前年同期と比較して0.1ポイントの増加を示しています。男女別にみると、男子の内定率は77.9%、女子は76.2%と、男子の方が若干高い結果となっています。学科別では、看護科が最も高い内定率を記録しており、89.2%に達しました。一方で、普通科は64.2%と低く、学科ごとの内定率の格差が大きいことがわかります。

地域別に見ると、内定率が最も高い県は愛知県で、88.9%に達しました。これに続くのは富山県の87.9%、福井県の86.1%です。一方で、内定率が最も低かったのは沖縄県で、51.5%にとどまりました。北海道や高知県も低水準で、それぞれ59.4%、64.1%という結果でした。このように、地域ごとの就職環境の違いがはっきりと現れており、地域間格差の是正が課題として浮き彫りになっています。

調査対象の学科別では、工業科や商業科といった職業教育に特化した学科が高い内定率を示しています。特に工業科では、内定率が89.0%と非常に高く、多くの企業が技術的なスキルを持つ生徒を求めている現状が反映されています。一方で、普通科の内定率は64.2%と低く、職業教育を受けていない生徒が直面する就職の難しさが浮き彫りになりました。また、家庭科や福祉科、農業科といった学科もそれぞれ78%台から79%台の内定率を記録していますが、工業科や看護科には及びません。

企業の採用担当者にとって、この調査結果は高校生の就職市場の動向を理解するうえで貴重な指標となります。特に、学科や地域による内定率の違いを考慮することで、効果的な採用戦略を立てることができます。たとえば、内定率が低い地域の生徒に向けた採用活動を強化することは、地域社会の活性化にも寄与します。また、工業科や商業科のように職業教育を受けた生徒の採用を拡大することで、即戦力となる人材を確保することが可能です。

加えて、データには採用活動の効率化を図るためのヒントも含まれています。たとえば、内定率が高い県や学科では、競争が激化している可能性があります。そのため、他地域や内定率が比較的低い学科に目を向けることで、優秀な人材を発掘できるチャンスが広がります。特に、全国的に就職内定率が低い普通科の生徒に対する職業適性の研修や支援プログラムを提供することで、企業と生徒双方にとってのメリットを生み出すことが期待されます。

このように、今回の調査結果は、企業の採用活動における戦略立案に活用できるだけでなく、高校生の就職支援や地域間の格差解消に向けた政策づくりの基盤ともなります。企業は、これらのデータをもとに多様な採用アプローチを検討し、持続可能な雇用環境を構築することが求められます。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ