2024年6月3日
労務・人事ニュース
高齢者が安心して働ける環境を整える「65歳超雇用推進助成金」
65歳超雇用推進助成金の制度概要の音声付き説明動画の掲載について(JEED)
令和6年の雇用促進施策の一環として、厚生労働省は「65歳超雇用推進助成金」制度を導入しました。この制度は、企業が高齢者の雇用を促進し、年齢に関わりなく働き続けられる社会を実現するための支援を目的としています。助成金の申請や活用を検討している事業主のために、詳細な説明が行われています。
この助成金は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構がその運用を担当しており、全国の都道府県支部で申請や相談を受け付けています。助成金には、65歳超継続雇用促進コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、高年齢者無期雇用転換コースの三つのコースがあります。
65歳超継続雇用促進コースは、企業が定年を65歳以上に引き上げる、または定年制度を廃止するなどの措置を取ることで高齢者の雇用を促進するものです。具体的には、就業規則を改正し、65歳以上の雇用継続制度を導入する必要があります。この制度の実施により、高齢者が安心して働き続けられる環境を整えることが求められます。
高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、高齢者の職業能力を評価し、適正な配置や処遇を行うための制度を整備する企業に対して助成金を支給するものです。例えば、60歳以降の給与形態を見直し、職務やスキルに応じた賃金制度を導入するなどの取り組みが含まれます。これにより、高齢者が意欲を持って働き続けられる環境を作り出します。
高年齢者無期雇用転換コースは、企業が有期契約の高齢労働者を無期雇用に転換する場合に助成金を支給するものです。例えば、契約期間が5年以内の50歳以上の有期契約労働者を無期雇用に転換することで、高齢者の雇用安定を図ります。無期雇用への転換により、高齢者が安心して長期にわたり働き続けられる環境を整備します。
助成金の申請には、いくつかのステップがあります。まず、各都道府県支部で事前相談を受け付けており、申請書類の記入方法や要件についての説明が行われます。申請書類は郵送または窓口に提出し、支部で書類の点検が行われた後、本部で審査されます。審査に問題がなければ、指定の金融機関の口座に助成金が振り込まれます。
各コースにはそれぞれ支給要件があり、企業はその要件を満たす必要があります。例えば、65歳超継続雇用促進コースでは、就業規則の改正や高齢者雇用管理措置の実施が求められます。また、支給金額は引き上げた年数や対象被保険者数によって異なり、最大で一定の金額が支給されます。
助成金の申請期間は、制度の実施日が属する月の翌月から起算して4ヶ月以内とされています。申請は各月の月初から15日までに行う必要があります。
高齢者の雇用を促進するために、企業はこの助成金制度を積極的に活用することが求められます。高齢者が働きやすい環境を整備することで、企業自身の労働力の安定確保にもつながります。また、地域社会全体の活性化にも寄与することが期待されます。
企業の採用担当者の皆様、この機会にぜひ「65歳超雇用推進助成金」の活用をご検討ください。高齢者が安心して働ける職場づくりに取り組み、持続可能な雇用環境を実現しましょう。