2025年1月9日
労務・人事ニュース
高齢者雇用が進展!滋賀県内企業の70歳就業確保措置実施率31.9%に(令和6年6月1日時点)
令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します(滋賀労働局)
滋賀労働局は令和6年12月23日に「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を発表しました。この報告は、高年齢者の雇用安定を目的とした「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、65歳までの雇用確保措置を企業がどの程度実施しているかを調査したものです。この法律は、65歳までの雇用を義務付けるだけでなく、70歳までの就業機会確保も企業に求めています。具体的には、「定年制の廃止」「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」などが措置として含まれています。
今回の調査は、滋賀県内で従業員が21人以上の企業2,205社を対象に実施されました。その結果、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施している企業は99.9%に達しており、前年と比較して0.1ポイント増加しました。中小企業では同じく99.9%、大企業では100%という結果が示されました。具体的な実施方法としては、「継続雇用制度の導入」が70.5%と最も多く、次いで「定年の引き上げ」が25.5%でした。「継続雇用制度の導入」は前年から1.3ポイント減少しましたが、「定年の引き上げ」は1.4ポイント増加しており、企業の取り組み方に若干の変化が見られます。
70歳までの就業確保措置についても調査されました。この措置を実施している企業は31.9%で、前年から2.1ポイント増加しました。内訳を見ると、中小企業が32.7%、大企業が17.8%で、それぞれ前年より2.1ポイント増加しています。この結果から、中小企業が高年齢者の就業確保措置において比較的積極的に取り組んでいることが分かります。
さらに、企業の定年制に関する状況も調査され、65歳以上の定年を設定している企業、または定年制を廃止している企業の割合は29.5%で、前年から1.4ポイント増加しました。これは、高年齢者が働き続ける環境を整備しようという動きが広がっていることを示しています。
この調査結果は、高齢者が生涯現役で活躍できる社会の実現に向けた取り組みの一環として重要な意義を持っています。しかし、70歳までの就業確保措置を実施している企業がまだ約3割に留まっている点からも、さらなる努力が求められます。滋賀労働局では、こうした取り組みを進めていない企業に対しても、労働局やハローワークを通じて指導や助言を行うとしています。
今回の報告は、企業が高年齢者の雇用をどのように考え、どの程度具体的な対策を実施しているかを明らかにしました。一方で、少子高齢化が進む中、労働力人口を確保するためにも、高年齢者の能力を活かす取り組みがますます重要になっています。これらの取り組みを推進するためには、企業だけでなく行政や地域社会全体で連携して支援することが不可欠です。
また、労働局が提示するデータに基づけば、特に中小企業が高年齢者雇用の主要な受け皿となっている傾向が見られます。このことは、地域経済における中小企業の役割の重要性を再確認させるものでもあります。中小企業が持続可能な形で高年齢者を雇用できるよう、支援策のさらなる充実が求められるでしょう。
企業が高年齢者の活躍を促進することは、単に法令を守るだけでなく、経験豊富な人材を活用し、新しい価値を生み出すチャンスでもあります。この報告をきっかけに、より多くの企業が高年齢者雇用の重要性を理解し、実効性のある取り組みを進めることが期待されます。
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ