2025年2月20日
労務・人事ニュース
鳥取県内の高校生就職内定率93.1%!(令和6年12月末現在)
令和7年3月新規高等学校卒業予定者の求人・就職希望・就職内定状況(12月末現在)について(鳥取労働局)
令和7年3月に卒業を予定している鳥取県内の高校生の就職状況が明らかになった。鳥取労働局が発表した最新の統計によると、就職希望者は前年よりも増加し、就職内定率も改善している。地域経済の現状や企業の採用動向が反映されるこのデータは、今後の雇用情勢を考える上で重要な指標となる。
今年度の高校卒業予定者のうち、就職を希望する学生は854人で、前年同期と比較して3.6%(30人)増加した。これは、近年の労働市場における人手不足や安定した雇用環境への関心の高まりが影響していると考えられる。また、県内での就職を希望する学生は675人で、前年より3.2%(21人)増加しているものの、県内就職希望率は79.0%と前年を0.4ポイント下回った。一方、県外での就職を希望する学生は179人で、前年より5.3%(9人)増加しており、都市部でのキャリア形成を目指す若者の動向も見られる。
就職内定者数は795人で、前年同期より4.3%(33人)増加した。特に県内企業に内定を得た学生は623人で、前年より4.5%(27人)増えている。これは、地元企業の採用意欲の高さを示しており、若年層の雇用促進が進んでいることを表している。また、就職内定率は93.1%と、前年同期を0.6ポイント上回り、安定した就職環境が続いていることがわかる。
求人状況を見ると、県内の求人数は2,330人で、前年より2.6%(62人)減少した。これに伴い、求人倍率も2.73倍と、前年の2.90倍を0.17ポイント下回る結果となった。ただし、業種別に見ると、建設業では11.2%(38人)、卸売業・小売業では8.4%(37人)と、それぞれ求人が増加している。一方で、製造業では6.9%(51人)、宿泊業・飲食サービス業では26.0%(40人)と、大幅な減少が見られ、業種による求人のばらつきが明らかになった。
県内就職希望者の就職内定率を地域別に見ると、東部地域では95.1%、中部地域では88.3%、西部地域では93.8%となっており、中部地域でやや低い傾向が見られる。県外就職希望者の内定率は96.1%で、前年より1.5ポイント低下した。これは、全国的な雇用環境の変化や都市部の採用競争の影響を受けている可能性がある。
鳥取労働局では、就職希望者に対してハローワークによる相談支援を強化し、企業とのマッチングを促進している。特に、地域に根ざした企業との連携を強化することで、若者の県内定着を図る方針を示している。企業側も、若手人材の確保に向けて、待遇の改善や働きやすい環境の整備を進めることが求められる。
近年、鳥取県では人口減少が進んでおり、特に若年層の流出が地域経済に与える影響は大きい。そのため、県内企業が積極的に新卒採用を行い、安定した雇用を提供することが地域活性化の鍵となる。今後も、若年層の就職支援策を充実させるとともに、企業側の採用努力が重要になるだろう。
⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ