2024年9月3日
労務・人事ニュース
鹿児島労働市場における求人倍率が1.95倍に上昇!新卒採用の課題と機会を徹底解説
鹿児島労働局定例記者会見資料 令和6年8月分(鹿児島労働局)
令和7年3月に卒業を予定している新規高等学校卒業者に対する求人・求職状況が、令和6年7月末時点で鹿児島労働局から発表されました。この報告によると、求人数は6,171件であり、前年同期と比べて2.5%減少しました。一方で、求職者数は3,162人であり、こちらも前年同期と比べて2.9%減少しています。この結果、求人倍率は1.95倍となり、平成元年度以降の最高値を記録しました。
求人数と求職者数の減少が見られる一方で、求人倍率が上昇しているという現象は、労働市場における需要と供給のバランスが変化していることを示唆しています。特に、県内の求職者数は1,770人で、前年同期の1,935人から165人減少しました。これは8.5%の減少に相当し、県内の求人に対する求職者の割合が減少していることが分かります。これに対し、県外への求職者数は1,392人であり、前年の1,322人から70人増加しました。県外志向が強まっていることがこのデータから読み取れます。
また、産業別に見た場合、県内の求人受理状況においても一定の変化が見られます。例えば、製造業における求人は依然として多く、特に電子部品・デバイス・電子回路製造業が中心となっています。しかし、サービス業や医療・福祉分野においても一定の求人が見られ、これらの業界における需要が引き続き高いことがうかがえます。
職業別では、専門的・技術的な職業従事者の求人が最も多く、次いで事務職や販売職が続いています。しかし、全体的に見れば、各職業カテゴリーにおいて求人は前年に比べて減少しており、特に事務職の求人減少が目立ちます。一方で、技術職や専門職の求人は比較的堅調であり、企業側がこれらのスキルを持つ人材を求めていることが推測されます。
これらのデータから、企業の採用担当者にとっての課題や機会が見えてきます。特に、新卒者の採用においては、県内外の動向を注視し、労働市場の変化に適応する必要があるでしょう。求職者の志向が県外に向かっている現状を踏まえ、県内での人材確保には新たなアプローチが求められます。例えば、地域の魅力を強化し、若者が地元に留まるようなインセンティブを提供することが考えられます。
さらに、今後の採用戦略を考える際には、技術職や専門職の求人が安定していることを念頭に置くべきです。これらの職種に対する需要が高いことは、企業にとっても成長の機会となる可能性があります。従って、これらの職種に適した人材を育成し、積極的に採用することが、長期的な企業の競争力強化につながるでしょう。
令和6年9月5日からは、学校が企業への生徒の応募書類の提出を開始し、9月16日から企業による選考・採用内定が始まります。このスケジュールに従い、企業は早期に優秀な人材を確保するための準備を進めることが重要です。鹿児島労働局および各公共職業安定所では、今年度も学校など関係機関と連携し、一人でも多くの生徒が希望する職に就けるよう支援を続けるとしています。
次回の報告は9月末現在の求人・求職・就職内定状況をまとめたもので、10月下旬に公表予定です。この情報もまた、企業の採用活動において重要な指標となるでしょう。今後も鹿児島労働局の発表を注視し、迅速かつ適切な対応を行うことが求められます。
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ