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2024年11月10日

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鹿児島県の有効求人倍率が1.11倍に低下、新規求人は39.9%減少―観光業に深刻な影響

令和6年9月の雇用失業情勢について(鹿児島労働局)

令和6年9月の雇用失業情勢に関する最新データが発表され、鹿児島県内の雇用市場における動向が明らかになりました。県内の有効求人倍率は1.11倍と、前月に比べ0.03ポイント減少しています。この減少は2か月ぶりの動きで、全国的な有効求人倍率の1.24倍と比較してもやや低い水準にとどまっています。この背景には、新規求人数の減少や産業別の求人数の減少が影響していると考えられます。特に宿泊業や飲食サービス業における求人数の大幅な減少が顕著で、前年同月比で39.9%もの減少が報告されており、観光業界全体にわたる不安定な状況が浮き彫りとなっています。

鹿児島県内の新規求人倍率は1.88倍と、前月に比べ0.21ポイント減少しました。これは4か月連続での減少傾向であり、特に建設業や製造業、運輸・郵便業などの主要産業において求人数の減少が顕著に現れています。建設業では前年同月比で5.3%、製造業では15.2%の減少、また運輸・郵便業においては21.4%の減少が報告されています。このような新規求人の減少は、地域経済に対する影響を与える可能性があり、今後の動向を注視する必要があります。

求人数だけでなく、求職者数にも変動が見られます。9月末現在の求職者数は3,146人で、前年同月比で1.6%減少しています。求職者数の減少は、学校やハローワークからの職業紹介を希望する生徒を対象にしていますが、特に若年層の就職状況にも影響を与えています。就職内定者数は1,648人で、前年同月比で4.3%減少しており、就職内定率も52.4%と、1.5ポイントの減少が見られました。これは、求職者が増加している一方で、就職機会が十分に提供されていないことを示しています。

また、県内全体の有効求人数は37,615人で、前月比2.1%減少しており、5か月連続での減少が続いています。これに対し、有効求職者数は33,851人で、前月比0.5%の増加を記録しました。特に、55歳以上の高年齢層や65歳以上の求職者においては、前年同月比で増加傾向が見られ、年齢層別の就職状況にも変動が生じています。

9月の雇用情勢では、新規求人数の減少が2か月連続で続いており、特に観光業や飲食業といったサービス業を中心に求人数の減少が顕著に現れています。このような動きは、地域経済における雇用機会の減少を示唆しており、さらなる雇用促進策が求められています。特に、物価上昇やインフレの影響が雇用市場にどのような影響を与えるかについては、今後も引き続き注視が必要です。

一方で、全国的に見た場合、鹿児島県の有効求人倍率はやや低めの水準にあります。九州内では7番目となっており、大分県や宮崎県などと比較しても労働市場の活力がやや劣る結果となっています。特に、就業地別有効求人倍率では1.22倍と、前月に比べ0.02ポイント減少しています。これは、求人の動きが停滞していることを示しており、今後の経済状況によってはさらなる求人減少の懸念が広がる可能性があります。

また、令和6年11月7日には、マザーズハローワークかごしま周知広報用ラッピング電車の運行が開始され、雇用促進や子育て世代へのサポートに向けた取り組みが強化されます。これに合わせて、公式マスコットキャラクターの発表も行われる予定であり、県内外からの注目が集まるイベントとなりそうです。

雇用情勢が厳しい中でも、過労死等防止啓発月間や労働保険未手続事業一掃強化期間など、労働環境の改善に向けた取り組みも進められています。これらの取り組みを通じて、働きやすい環境を整備し、労働者が安心して働ける職場作りを推進することが求められています。特に、過労死の防止に向けたシンポジウムやキャンペーンが実施され、働きすぎによる健康被害を未然に防ぐ取り組みが強化されています。

また、労働保険未加入事業場に対する加入勧奨も強化されており、労働者が適切な保険に加入できる環境を整えるための施策が進められています。特に、11月は労働保険未手続事業一掃強化期間として、関係機関や団体を通じた集中的な取り組みが行われる予定です。

このように、鹿児島県内の雇用情勢は依然として厳しい状況が続いており、特に観光業やサービス業の不安定さが顕著に現れています。しかし、県内外からの注目を集めるイベントや労働環境改善の取り組みが進められている中で、今後の雇用市場の回復が期待されています。特に、若年層や高年齢層の就職支援策を強化し、幅広い世代が安心して働ける環境を整備することが、地域経済の活性化にとって重要な課題となっています。

⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ

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