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2025年5月9日

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【令和6年度調査】建設工事受注総額は18兆9,558億円、4年連続の増加で建設需要が持続

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令和6年度の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果(国交省)

国土交通省は2025年4月30日、令和6年度における建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)の結果を公表しました。この調査は、大手建設業者による受注状況を詳細に把握することを目的として実施されており、業種別、発注者別、地域別、さらには工事種別といった多角的な観点から建設業界の実態を明らかにするものです。

令和6年度の総建設工事受注額は18兆9,558億円に達し、前年度比で5.3%の増加となりました。これは4年連続の増加であり、日本経済における建設投資の持続的な拡大傾向を裏付ける数字となっています。とりわけ国内建設工事の受注高は18兆3,169億円にのぼり、5年連続で増加し、前年度比で5.6%の伸びを記録しています。これにより、インフラ整備や都市再開発を背景とした堅調な建設需要が続いていることが明らかになりました。

中でも注目すべきは、民間工事の受注が大きく伸びた点です。令和6年度の民間工事の受注額は13兆6,457億円で、前年度比8.9%増と顕著な成長を見せました。これで4年連続の増加となり、製造業やサービス業、さらに電気・ガス・熱供給・水道業といった分野における建設投資の積極化が見て取れます。製造業では、前年の減少から一転して3兆5,181億円と10.1%の増加を記録。設備投資や新工場の建設が進み、国内の産業基盤強化が着実に進められていることがうかがえます。

非製造業では10兆1,276億円の受注となり、前年より8.4%の増加を示しました。この中でもサービス業の受注は2兆7,481億円と、前年から53.4%の急増となっており、事務所や商業施設、教育・研究施設など多様な用途で建設需要が高まっていることが反映されています。さらに、金融業や保険業では前年比31.4%の増加、不動産業では一部減少が見られたものの、総じて非製造業全体では強い需要が継続しています。

一方、公共機関からの受注は4兆1,130億円で、前年比4.1%の減少となり、3年ぶりに減少へと転じました。特に国の機関による発注は2兆8,629億円と、前年比1.6%の減少、地方機関は1兆2,501億円で9.2%減となっています。ただし、政府関連企業や地方公営企業など一部では増加傾向が見られ、市区町村レベルの発注減が全体の数字を押し下げた構図です。公共事業については、予算配分や事業スケジュールの影響が大きく、年度による振れ幅があるのも特徴です。

工事の種類別に見ると、建築工事の受注額は13兆826億円で前年比7.8%増、4年連続の増加となりました。住宅や工場・発電所、その他の建築工事が全体をけん引しており、生活・産業インフラの需要が引き続き旺盛であることがうかがえます。一方、娯楽施設や医療・福祉施設、教育・研究・文化施設といった一部の分野では前年を下回る結果となりました。土木工事では5兆8,732億円となり、前年比0.1%増で3年連続の増加となっています。道路や港湾・空港、上下水道といった社会基盤整備関連の需要は堅調でしたが、鉄道や治山・治水分野では減少傾向にありました。

海外工事の受注は6,389億円で、前年比2.6%の減少となりました。内訳を見ると、建築工事が1,950億円で前年比22.6%減と大幅に落ち込んだ一方、土木工事は4,440億円で9.8%の増加を見せています。これにより、海外におけるインフラプロジェクトの獲得は健闘している一方で、建築分野では新規案件の確保に苦戦している様子がうかがえます。為替相場や地政学的リスクなども影響しており、海外受注は今後の展開に注目が必要です。

また、10億円以上の受注を対象とした大規模工事は2,604件にのぼり、受注総額は13兆7,273億円でした。このうち民間工事が1,764件、10兆6,260億円を占め、全体の74.9%という高い比率を示しています。これは、建設市場において大規模案件が依然として中心的な位置を占めていることを意味し、大手建設会社の経営戦略や人員配置においても重要な指標となります。

このような調査結果は、建設業界に限らず、多くの業種の企業経営にとって示唆に富んだ情報です。たとえば、サービス業や製造業で建設投資が活発化しているという事実は、拠点拡充や新規施設開設の動きに直結しており、採用活動や人材育成の観点からも注視すべき事項です。また、地域ごとの建設需要の傾向を把握することで、企業の進出戦略や地域別採用方針においても活用できるデータとなります。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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