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2025年4月3日

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交通事故最多年齢は7歳と16歳、春の交通安全運動が企業に問う地域連携の必要性

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令和7年春の全国交通安全運動の実施について(警察庁)

令和7年春、警察庁交通局を中心とする政府機関は、交通事故の根絶を目指して「春の全国交通安全運動」を実施することを発表しました。4月6日から15日までの10日間にわたって行われるこの運動は、歩行者の安全確保、自転車の交通ルール遵守、車両乗車中の適切な保護具の使用促進など、交通社会のあらゆる課題に包括的に取り組む全国的な啓発キャンペーンです。この動きは、企業にとっても従業員の安全管理や地域社会への貢献という観点から、重要な意味を持ちます。

特に注目すべきは、子どもを中心とする歩行者の交通事故が依然として深刻な状況にあることです。令和2年から6年の5年間で、歩行中に死傷した子どもの中で最も多かった年齢は7歳、自転車乗用中では16歳が最多となっています。7歳といえば、小学校入学直後の年齢であり、自分で通学を始めたばかりのタイミングです。この年齢層は、交通環境に不慣れなため事故リスクが高く、注意喚起が必要不可欠です。さらに、児童の歩行中の死亡・重傷事故は4月から6月にかけて顕著に増加しており、年度初めの慣れない生活リズムや新たな通学経路の影響が懸念されます。

事故の発生状況をより詳しく見ると、幼児においては「遊戯」が事故時の最多通行目的で、児童では「下校」中の事故が多くを占めています。また、事故原因として「飛出し」が圧倒的に多く、幼児の約38.5%、児童でも約33.5%が飛出しによるものとされ、特に歩行者自身の注意喚起と周囲の運転者の配慮が求められます。こうした背景から、企業が関わる通学路の整備や地域ボランティア活動への協力も、企業市民としての責務となりつつあります。

また、自転車利用者に関するデータも深刻です。児童・生徒の自転車事故は年初から6月にかけて増加する傾向にあり、通行目的としては小学生が「訪問」、中高生は「登校」が最多となっています。特に注目されるのが、自転車事故死者の約半数が「頭部」に致命傷を負っていたという事実です。令和5年4月からはヘルメット着用が努力義務化されましたが、街頭調査による着用率は令和5年2月時点でわずか4.0%、同年7月で13.5%、令和6年7月でも17.0%と、依然として低調です。これは企業が通勤・通学手段として自転車利用を推奨する場合、ヘルメット着用を義務づけたり、無償提供するなどの対策が急務であることを示しています。

さらに注目されるのは、車両乗車中の安全装置の使用実態です。チャイルドシートやシートベルトの着用は命を守る最前線にあるにもかかわらず、使用率は年齢が上がるほど低下する傾向が確認されています。例えば、1歳以下のチャイルドシート使用率は89.7%であるのに対し、6歳では76.1%、12歳になると31.6%まで下がっています。また、チャイルドシートを使用していない場合の致死率は、使用している場合の約3.5倍に達し、シートベルトに至っては非着用時の致死率が着用時の約15倍にもなっています。この統計は企業が従業員の家族や取引先に向けた安全教育やCSRプログラムの一環として、交通安全の啓発を進める必要性を裏付けています。

警察庁はこのような背景を踏まえ、春の全国交通安全運動において三つの重点項目を掲げています。まず一つ目は、子どもをはじめとする歩行者が安全に通行できる環境整備と正しい横断方法の実践です。これは、信号無視や飛出しを防ぐために必要な教育や地域インフラの改善を含み、企業が地域と連携して交差点の安全化や通学路の点検活動に協力することも想定されます。

二つ目は、歩行者優先の意識徹底と、ながら運転など危険運転の根絶、そしてシートベルトやチャイルドシートの適切な使用促進です。企業の社有車管理においても、運転時のスマートフォン使用禁止や定期的な安全運転講習の実施、車内装備の点検が不可欠です。

そして三つ目は、自転車および特定小型原動機付自転車のヘルメット着用の推進と、交通ルール遵守の徹底です。企業が福利厚生として通勤用自転車を導入する際には、ヘルメット着用の推奨はもちろん、社内規定への明記も含めた施策が重要です。

今回の運動では、警察をはじめとする関係機関が積極的に広報啓発活動を展開し、地域と連携した現場主導の取り組みを進めています。企業がこうした取り組みに共鳴し、地域の学校や保育施設と連携した交通安全教室の実施や、社員のボランティア派遣などの活動を通じて社会に貢献することは、単なるCSRにとどまらず、自社の信頼性やブランド価値の向上にもつながります。

また、採用活動においても、従業員やその家族の安全を重視する企業姿勢は、求職者に安心感を与える要素となります。特に若年層や子育て世代にとって、企業の交通安全や地域活動への姿勢は、就職先を選ぶうえで見逃せない評価軸の一つとなってきています。そうした意味でも、交通安全に対する企業の取り組みは、未来への投資でもあるのです。

⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ

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