2025年3月22日
労務・人事ニュース
令和6年度の教職員団体加入率26.8%
- 看護師/2025年5月1日更新
最終更新: 2025年5月1日 11:34
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令和6年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果について(文科省)
文部科学省が令和6年度の教職員団体への加入状況について発表した結果によると、公立学校に勤務する常勤教職員の職員団体への加入率は引き続き低下傾向を示している。昭和33年から実施されているこの調査では、教職員がどのように職員団体に加入しているのかを把握し、各都道府県における教職員の人事行政の適正な運営に資することを目的としている。今回の調査は令和6年10月1日現在のデータを基に集計され、大学および高等専門学校を除くすべての公立学校に勤務する常勤教職員(再任用教職員を含む)が対象となっている。
調査結果によると、教職員団体全体の加入率は26.8%となり、前年の27.7%から0.9ポイント低下した。これは昭和51年以降49年連続の低下となっており、特に日本教職員組合(日教組)への加入率は18.8%と、前年の19.2%から0.4ポイントの減少を記録した。日教組への加入率は昭和52年以降48年連続で低下しており、依然として減少傾向が続いている。
新規採用された教職員の加入率についても同様に減少が見られた。教職員団体全体の新採用教職員の加入率は20.8%で、前年の21.3%から0.5ポイント低下し、4年連続の減少となった。また、日教組への新採用教職員の加入率は16.8%で、前年の17.0%から0.2ポイントの低下となり、3年連続の減少が確認された。このように、若手教職員の職員団体への加入率も年々減少しており、従来の組織形態の在り方が変化していることが示唆される。
詳細なデータを見ると、教職員全体の加入者数は27万2445人で、前年の28万1191人から8746人減少した。日教組への加入者数は18万868人で、前年の19万4687人から3819人減少している。一方で、全日本教職員組合(全教)への加入者数は2万4445人で、前年の2万5959人から1514人減少した。日高教(日本高等学校教職員組合)への加入者数は6590人で、前年の6907人から317人の減少が見られた。その他の教職員団体への加入者も減少しており、全体的な傾向として職員団体の加入率は引き続き低迷している。
一方で、職員団体に加入しない非加入者の数は増加傾向にあり、73万3790人が職員団体に属していないと回答しており、前年の72万3355人から1万435人増加した。これにより、非加入率は前年の72.3%から73.2%へと0.9ポイント上昇した。このデータからも分かるように、教職員の間で職員団体に加入する意識が年々低下していることがうかがえる。
また、新規採用教職員のデータを詳しく見ると、日教組への加入者数は6638人で、前年の6531人から107人の増加があったものの、全体の加入率としては低下した。全教への加入者数は429人で、前年の381人から48人の増加があったが、その他の団体では減少傾向が続いている。非加入者の数は前年より1130人増加し、新規採用教職員全体の79.2%が職員団体に加入しないという結果となった。
長期的な推移を見ても、職員団体の加入率は継続的に低下している。昭和33年当時は94.3%の教職員が職員団体に加入していたが、平成元年には62.8%、令和元年には32.0%と大幅に減少し、令和6年には26.8%まで落ち込んでいる。特に新規採用教職員の加入率は、昭和60年代には40%を超えていたが、平成に入ると30%台に低下し、令和に入ると20%前後にまで減少している。この背景には、時代とともに労働環境や意識の変化があると考えられる。
このような教職員団体の加入率低下の要因として、いくつかの理由が考えられる。まず、教職員の働き方が多様化し、組合を通じた活動に対する関心が薄れてきている点が挙げられる。特に若手教職員の間では、個人のキャリア形成を優先する傾向が強まり、職員団体への加入が必ずしも必要とされなくなっている。また、職員団体の活動内容が現在の教職員のニーズに合致していない場合もあり、団体への加入が敬遠される要因となっている可能性がある。
企業の採用担当者にとって、これらのデータは採用戦略を考える上での重要な指標となる。特に教育分野に関連する企業や、教職員をターゲットとしたサービスを提供する企業にとって、教職員の意識変化を把握することは不可欠である。例えば、教育研修プログラムや福利厚生制度の提供において、従来の組織型研修よりも個別最適化された学習支援が求められる可能性がある。また、若手教職員の働き方に対する価値観の変化を考慮し、柔軟なキャリア形成を支援するサービスの提供が有効であるだろう。
今後、教職員団体の役割や組織の在り方がどのように変化するのか注視する必要がある。特に、教育現場のデジタル化や労働環境の変化に伴い、新たな形態の組織や支援ネットワークが生まれる可能性もある。教職員の働き方改革が進む中で、職員団体がどのような役割を果たすのか、また、新たな組織形態が求められるのかが今後の大きな課題となる。
⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ