2025年3月15日
労務・人事ニュース
令和6年度10月の医科医療費が2.9%増加!企業が注視すべき医療コストの最新動向
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最終更新: 2025年5月1日 03:01
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最終更新: 2025年5月1日 09:34
最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和6年度10月号)(厚労省)
令和6年度10月の医療費に関する最新の調査結果が公表され、日本国内の医療費が依然として増加傾向にあることが明らかになった。厚生労働省の統計によると、10月の医科医療費(電算処理分)の伸び率は前年同月比2.9%の増加を記録しており、受診延日数も0.7%増加している。1日当たりの医療費は2.2%の増加となり、全体として医療費が拡大していることが確認された。
診療種類別の動向を詳しく見ると、医科入院の医療費は前年同月比4.6%増加し、1日当たりの医療費も4.3%増加した。これは、高齢者の長期入院や高度医療の需要が増加していることが要因と考えられる。一方で、医科入院外の医療費の伸び率は1.2%と比較的緩やかで、1日当たりの医療費の増加率も0.3%にとどまっている。
医療制度別に見た場合、被用者保険の医療費は2.5%増加しており、特に入院費は7.3%の増加となった。一方で、国民健康保険の医療費は1.4%減少しており、加入者の医療利用が低下している可能性がある。後期高齢者医療制度の医療費は5.7%増加し、高齢者の医療費が全体の伸びを押し上げる要因となっていることが分かる。
医療機関の種類別に見ても、医療費の増加率には差が見られる。大学病院の医療費は6.9%増加し、公的病院は4.6%、法人病院は3.4%増加している。特に病床数200床以上の病院では4.4%の増加が見られ、大規模病院の利用が引き続き拡大していることが示されている。一方で、医科診療所の医療費は0.4%減少し、個人経営の診療所では厳しい状況が続いていることがうかがえる。
都道府県別の医療費の伸び率を分析すると、最も増加率が高かったのは千葉県の4.3%で、次いで宮崎県の7.3%が高い伸びを示している。逆に、最も医療費が減少したのは鳥取県で、1.2%の減少が見られた。これは、地域ごとの人口動態や医療サービスの提供状況が異なることによる影響と考えられる。
年齢階級別に見た場合、75歳以上80歳未満の医療費の伸び率が9.0%と最も高く、高齢者の医療需要が増加していることが分かる。一方で、5歳以上10歳未満の医療費は13.2%減少しており、小児の医療利用は低下傾向にある。これは、予防医療の普及や小児科医療の見直しが影響している可能性がある。
また、疾病分類別の医療費動向を分析すると、筋骨格系および結合組織の疾患に関する医療費が6.0%増加し、新生物(がん)の医療費も5.3%増加した。一方で、呼吸器系の疾患の医療費は2.3%減少しており、インフルエンザや肺炎などの呼吸器系疾患の発生率が低下していることが影響していると考えられる。
診療内容別に見ると、DPC包括部分(診断群分類に基づく医療費の一括計算方式)の医療費が6.8%増加し、手術・麻酔の医療費も7.0%増加している。特に、高度な手術や最新医療技術の導入が進んでいることで、手術関連の医療費が増加していると推測される。
こうした医療費の動向は、企業の採用市場にも影響を及ぼす可能性がある。特に、医療従事者の確保が重要な課題となっており、看護師や薬剤師、医療事務スタッフなどの需要が高まっている。また、医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴い、医療データの管理やAIを活用した診断技術の導入が進んでいるため、医療ITの専門家の需要も拡大している。
企業においても、従業員の健康管理を強化する必要があり、健康診断やメンタルヘルス対策の強化が求められている。特に、医療費の増加に伴い、企業が負担する健康保険料が上昇する可能性があるため、予防医療の推進や福利厚生の充実が企業経営の重要な課題となっている。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ