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2025年3月28日

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令和6年12月の病院報告、全国の病床利用率が70.2%に低下、療養病床は62.7%

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病院報告(令和6年12月分概数)(厚労省)

令和7年3月13日、厚生労働省は令和6年12月の「病院報告」に関する統計結果を公表した。この報告は、全国の医療機関における患者数、病床利用率、平均在院日数などを分析し、医療サービスの実態を明らかにするものである。医療機関の運営状況を把握し、医療政策の改善に活用することを目的としている。

12月の全国の病院における1日平均患者数は1,133,001人で、前月の1,126,975人から増加した。しかし、診療所における外来患者数は1,474人で、前月の1,489人から減少しており、医療機関によって患者数の増減にばらつきが見られる。病床の種類別に見ると、一般病床の在院患者数は649,660人で、前月の642,218人から7,442人増加した。一方で、療養病床の在院患者数は227,045人と前月の226,726人から微増にとどまっている。

病床利用率については、全国の病院全体の月末病床利用率が70.2%で、前月の74.7%から4.5ポイント減少した。特に療養病床の病床利用率は62.7%と、前月の69.8%から7.1ポイント低下しており、利用率の変動が大きいことが分かる。感染症病床の利用率は14.3%で、前月の9.8%から増加しているが、依然として低い水準にある。これは、感染症対策の状況や季節性の影響を受けた可能性が考えられる。

平均在院日数については、全国の病院全体で24.5日となり、前月の25.2日から0.7日短縮された。一般病床の平均在院日数は14.9日で、前月の15.3日から0.4日減少した。精神病床の平均在院日数は109.5日で、前月の116.3日から6.8日短縮され、長期入院患者の退院が進んだことがうかがえる。感染症病床の平均在院日数は8.9日で、前月の10.0日から減少したが、病状の回復や治療の効率化が影響していると考えられる。

12月の統計結果を総合すると、病院における患者数は増加傾向にある一方で、病床利用率は減少傾向にあることが分かる。これは、冬季における医療機関の受診者数の増加や、感染症対策の影響が考えられる。特に一般病床の利用率は高水準を維持しており、病院の負担が大きいことが示唆される。一方で、療養病床の利用率が低下していることから、高齢者医療や慢性疾患の管理に関する対策が必要であると考えられる。

医療機関の運営に関しては、病床利用率の変動を考慮しながら、効率的な病床管理を行うことが求められる。特に、精神病床の在院日数が依然として長いことから、地域医療との連携を強化し、退院支援を進めることが重要である。感染症病床の利用率が低いことについては、必要な医療資源を確保しつつ、柔軟な運用が求められる。平均在院日数の減少は、医療機関の効率的な運営が進んでいることを示しているが、患者の早期退院後のフォローアップ体制を整えることが不可欠である。

今後の医療政策においては、高齢化の進展に伴う慢性疾患患者の増加に対応し、療養病床の有効活用を進めることが課題となる。また、精神病床の長期入院患者の地域移行を促進するための施策も必要である。感染症対策については、季節変動を考慮しながら、病床の確保と柔軟な対応が求められる。医療機関の経営改善に向けては、デジタル技術を活用した病床管理の最適化や、在宅医療の充実を図ることが重要である。

全国の医療機関は、今回の統計結果を参考にしながら、自院の病床管理や患者の受け入れ体制を見直すことが求められる。特に、一般病床の利用率が高い病院では、医療スタッフの負担軽減や、適切なベッドコントロールを行うことが必要である。療養病床の利用率が低下している地域では、患者の受け入れを促進し、地域包括ケアの充実を図ることが求められる。精神病床の長期入院を減少させるためには、地域の支援体制を強化し、退院後のケアを充実させることが重要である。

厚生労働省は今後も定期的に病院報告を公表し、医療機関の運営状況の変化を分析していく。医療関係者はこのデータを活用し、効率的な医療提供体制の構築に取り組むことが求められる。今後の医療政策の方向性としては、医療資源の適正配分、患者の治療期間の適正化、在宅医療の推進などが挙げられ、各医療機関がそれぞれの役割を果たすことが期待されている。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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