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2025年7月5日

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令和7年 病床数×4万円を全額補助、滋賀県が病院の業務効率化を強力支援

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令和7年 滋賀県 生産性向上・職場環境整備等支援事業

2025年6月23日、滋賀県は医療現場の人材確保と職場定着を強力に後押しするための新たな支援策として、「生産性向上・職場環境整備等支援事業」の実施を発表しました。この取り組みは、医療機関における業務の効率化や職場環境の改善を推進することを目的とし、職員の処遇改善や労働環境の質向上に寄与する内容となっています。本事業は当初、令和6年度中に実施される予定でしたが、厚生労働省の判断により令和7年度事業へと繰り越されることが決定し、滋賀県では令和7年度事業として運用されます。

補助の対象となるのは、令和7年3月31日時点で「ベースアップ評価料」を届け出ている病院、有床診療所(医科・歯科)、無床診療所(医科・歯科)、および訪問看護ステーションです。これらの施設を対象に、生産性の向上や働く環境の整備にかかる経費が補助されます。補助金の上限額は施設種別ごとに明確に定められており、病院や有床診療所においては、申請時点の許可病床数1床あたり4万円が支給されます。ただし、有床診療所で病床数が4床以下の場合は、1施設あたり18万円が上限となります。また、無床診療所および訪問看護ステーションについては、1施設につき18万円が補助上限額とされています。注目すべきは補助率が10分の10、つまり対象経費の全額が補助される点で、医療機関にとっては大変実効性の高い支援策となっています。

補助対象となる経費は、令和6年4月1日から令和8年3月31日までに実施された、または実施される3つの取り組みにかかるものに限定されます。第一に、ICT機器などを導入し業務の効率化を図る取り組みが対象です。たとえば、タブレット端末やインカム、WEB会議設備、床ふきロボット、監視カメラなどの設備がこれに該当します。これらは日々の業務負担を軽減し、医療従事者の作業の質を高める効果が期待されています。

次に、タスクシフトまたはタスクシェアを通じた業務効率化も支援対象に含まれます。具体的には、医師の事務作業を担う補助者や、看護業務を補佐する職員を新たに配置することで、業務の分担を図る施策がこれにあたります。こうした取り組みは、医療現場における業務の偏りを是正し、職員一人ひとりの業務負担を適正化するうえで重要です。

さらに、既存職員の処遇改善を目的とした賃金引き上げについても、本補助金の活用が可能です。これにより、医療機関は限られた財源の中でも持続的に賃上げを実現し、優秀な人材の確保と定着に向けた環境整備を図ることができます。すべての対象経費は税抜価格で計算され、消費税および地方消費税は含まれないため、申請にあたっては注意が必要です。

補助金の申請受付期間は、令和7年7月16日(水曜日)から令和7年10月31日(金曜日)までと予定されています。申請方法としては、郵送またはオンラインのいずれかで行うことが可能であり、特にオンライン申請の利用が推奨されています。専用の申請フォームは受付開始日に合わせて公開される見込みですので、準備は早めに行う必要があります。今後、申請に必要な書類や様式についても、専用ホームページにて順次公開される予定です。

本事業は、単なる補助金制度にとどまらず、医療現場の生産性向上と職員の働きがいを両立させるという、時代の要請に応える重要な取り組みです。特に人材確保に苦慮する小規模医療機関や訪問看護ステーションにとって、費用負担なしでの環境改善は、今後の運営戦略に大きな影響を与える可能性があります。申請対象となる施設は、自身の現状と課題を客観的に把握したうえで、本制度の活用を積極的に検討すべきでしょう。働きやすい職場環境を整備し、地域医療の質の向上を目指すためには、この支援策を機に計画的な投資と改革を進めることが求められています。

⇒ 詳しくは滋賀県のWEBサイトへ

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