2025年4月20日
労務・人事ニュース
令和7年2月の和歌山県における有効求人倍率1.11倍で4か月ぶりに減少へ転じた雇用情勢の詳細分析
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
医療・福祉分野で1,709件の新規求人、和歌山県令和7年2月の業種別求人動向
令和7年2月における和歌山県の労働市場の状況について、和歌山労働局が発表した資料をもとに、具体的なデータや動向を丁寧に解説しながら、企業の採用担当者が注目すべきポイントを中心にお伝えします。
和歌山県における令和7年2月の有効求人倍率(季節調整値)は1.11倍となり、前月から0.02ポイント低下しました。この数字は、求職者1人に対して1.11件の求人があるという状況を示しています。求人が求職を上回る状態が続いているとはいえ、その勢いにはやや鈍化が見られ、回復基調の中にも足踏み感があることが読み取れます。全国平均の有効求人倍率は1.24倍、近畿圏平均は1.14倍とされており、和歌山県の数値は全国・地域平均を若干下回る水準にあります。
有効求人数(季節調整値)は16,292人で、前月比1.6%の減少となり、4か月ぶりに減少に転じました。新規求人(季節調整値)は5,538人で、前月から3.7%の減少と、2か月連続のマイナスとなっています。新規求人の減少は、企業の採用意欲に一時的な抑制傾向が出ていることを示唆しており、特に物価上昇や経済先行きの不透明感が背景にある可能性も考えられます。
一方で、有効求職者数(季節調整値)は14,683人となり、前月比0.6%の増加と2か月ぶりに増加傾向へと転じました。新規求職者数は2,886人で、前月から0.5%の減少と2か月連続で減少が見られましたが、全体としては求職者の動きがやや活発化している兆しが感じられます。
正社員の有効求人倍率(原数値)は0.94倍と、前年同月から0.06ポイント上昇しており、正社員雇用については需要が拡大している傾向があります。正社員の有効求人数は7,361人で前年同月比2.5%増加、有効求職者数は7,866人で前年同月比3.9%減少しており、正社員を希望する求職者の減少が倍率上昇の背景にあると見られます。
業種別に新規求人の動向を見てみると、最も大きな構成比を占めたのは「医療・福祉」分野で、全体の30.4%を占める1,709件の新規求人がありました。次いで多かったのは「製造業」(655件、11.6%)、「卸売業・小売業」(642件、11.4%)、「サービス業」(580件、10.3%)でした。一方で、「宿泊業・飲食サービス業」は359件(6.4%)と減少が続いており、前年同月比で188人(34.4%減)という大幅な落ち込みが確認されています。
また、前年同月比で新規求人が増加した業種には、「医療・福祉」が129人増(8.2%増)、「学術研究・専門・技術サービス業」が84人増(118.3%増)、「サービス業」が36人増(6.6%増)といった分野が挙げられます。逆に減少が目立ったのは、「宿泊業・飲食サービス業」や「卸売業・小売業」(102人減、13.7%減)、「公務・その他」(94人減、30.8%減)、「不動産業・物品賃貸業」(54人減、52.9%減)などで、これらの業種では企業の採用意欲の減退が影響していると推察されます。
雇用形態別では、パートタイム求人が2,479件で、前年同月比10.9%の減少となった一方、パートを除く常用求人は3,151件で、同2.1%の減少にとどまっています。この点からも、非正規雇用よりも正社員などの安定雇用に対するニーズが企業・求職者ともに高まっていることがうかがえます。
和歌山県内における有効求人倍率の推移を見ると、令和6年12月には1.13倍、令和7年1月には同じく1.13倍を記録しており、2月に1.11倍へと若干の低下を見せましたが、全体としては安定した求人環境が維持されています。ただし、新規求人倍率は令和7年1月の1.98倍から2月には1.92倍に低下しており、新たな求人の動きにはやや鈍化の兆しが見られます。
今後の雇用環境については、物価上昇や経済の先行き不透明感が企業活動に与える影響を注視する必要があります。特に、原材料価格の高騰や円安の進行が中小企業の経営に与える負担が懸念され、これが雇用にも波及する可能性があります。また、働き方改革や労働市場の流動化に伴い、求職者の志向も多様化しており、企業側は柔軟な採用戦略を求められる時代に入っています。
採用担当者にとっては、労働市場の数値を定点観測しながら、自社の採用活動における競争力を把握し、ターゲット層に応じた求人手法の見直しが求められます。特に、医療・福祉分野などの人手不足が深刻化している業界では、待遇改善や職場環境の整備といった内部施策を通じて、求職者に選ばれる職場づくりを進めることが急務となります。
ここに示された和歌山県の令和7年2月の雇用統計は、地元企業の採用戦略を検討するうえでの重要な材料となると同時に、今後の労働市場の動向を見極めるための貴重な参考情報といえるでしょう。
⇒ 詳しくは和歌山労働局のWEBサイトへ