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2025年4月19日

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令和7年2月の山口県有効求人倍率は1.45倍、30か月連続で求人数が求職者数を上回る構造に

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山口県の雇用情勢(令和7年2月分)について(山口労働局)

2025年4月1日、山口労働局が発表した令和7年2月分の雇用情勢は、全体として回復傾向を維持しながらも、業種や地域によっては依然として厳しい状況が残ることが示されました。特に注目されたのは、山口県全体の有効求人倍率が1.45倍と前月から0.05ポイント上昇し、引き続き全国平均の1.24倍を大きく上回っている点です。これは30か月連続で「求人が求職を上回って推移している」という労働局の基調判断が維持されたことからも、県内の雇用需要が根強く存在していることを示しています。

有効求人倍率は、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す重要な指標です。今回の数値は、求職者19,087人に対して、有効求人数が27,713人という状況を反映しており、企業側が引き続き積極的な採用姿勢をとっていることがわかります。特に正社員に限定した有効求人倍率も1.42倍と高水準にあり、安定した雇用環境を求める人々にとっても、チャンスが広がっていると言えます。

一方で、新規求人数は前年同月比で5.6%減少しており、全体の求人数は堅調なものの、採用意欲に一部減速が見られることも事実です。産業別に見ると、建設業で前年同月比10.8%減、医療・福祉分野でも8.1%減となっており、特定分野では求人の抑制傾向が顕在化しています。特に、生活関連サービス業や娯楽業では23.3%減という大幅なマイナスが見られ、コロナ禍を経てなお業界の構造的課題が続いていることを浮き彫りにしています。

対照的に、サービス業(他に分類されないもの)では12.7%の増加が確認され、業種によって雇用の需要には明確な差が存在しています。また、事業所の規模別に見ると、1,000人以上の大規模事業所では新規求人が125.8%と急増しており、地域の経済基盤を支える大企業が本格的に人材確保に乗り出している様子が伺えます。一方で、4人以下の小規模事業所では13.1%の減少となっており、規模の小さい企業では依然として慎重な採用姿勢が続いています。

地域別では、山口市が有効求人倍率1.62倍、宇部市では1.91倍と特に高い数値を示しており、地域によって雇用環境の差が大きいことも確認されました。反対に、柳井市では1.05倍と全国平均をやや下回る状況で、地域間の雇用格差も今後の政策課題の一つとなっています。こうした地域差を踏まえると、企業の採用戦略もエリア特性に応じた柔軟な対応が求められる局面にあります。

新規求職申込件数は前年同月比で8.8%減となっており、求職者側の動きがやや鈍っている状況も注視すべきです。特に若年層の求職活動の減少は、労働市場における人材供給の制約要因となりうるため、今後の人材育成や定着支援策の充実が急務です。これに対し、求人倍率の高水準が続いていることは、企業側が引き続き人材確保に苦慮している現実を示しており、採用担当者にとっては競争が激化していることを実感するデータとも言えるでしょう。

特に正社員に対する求人意欲の高さは、長期的な雇用安定を重視する企業姿勢の表れであり、求職者にとっては働き方の多様化が進む中で、正規雇用という選択肢が再評価される契機ともなります。業種別で見ると、運輸業・郵便業が前年同月比で8.6%増、金融業・保険業では10.4%増といったプラスの動きも見られ、一部業界では雇用拡大が進んでいることもポジティブな要素です。

採用担当者にとって、これらのデータは単なる統計にとどまらず、自社の人材戦略に直接的な示唆を与えるものです。たとえば、若年層の求職減少を受けてインターンシップや新卒採用への注力を強める、また高倍率地域への拠点拡充やテレワーク導入によって人材獲得の裾野を広げるなど、データに基づく打ち手の検討が求められます。

⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ

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