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2025年4月21日

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令和7年2月の広島県における有効求人倍率は1.44倍、雇用情勢に回復の兆しと課題が混在

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若年層の新規求職者数が減少傾向、令和7年2月広島県の雇用環境に年齢別課題が浮上

広島県における令和7年2月の雇用情勢は、依然として求人が求職を上回る状況が続いているものの、全体としては雇用の回復傾向にいくつかの弱さが見られるという、慎重な見通しが示されています。最新の統計によると、県全体の有効求人倍率は1.44倍で、前月から0.04ポイント上昇しました。これは2か月連続の上昇であり、全国平均の1.24倍を大きく上回る水準にあります。特に注目すべきは、新規求人倍率が2.86倍となり、3か月連続で上昇していることです。これにより、新たな雇用の創出が一定のペースで進んでいることがうかがえます。

令和7年2月における広島県の新規求人数は23,237人で、前年同月比では7.4%の減少となりました。これは産業ごとにばらつきがあり、たとえば情報通信業では前年同月比14.6%増の306人と増加している一方、卸売業・小売業では14.8%減の4,400人、宿泊業・飲食サービス業では15.8%減の882人と大幅に減少しています。特に卸売業・小売業の求人減少は、消費行動の変化や人件費高騰の影響が色濃く表れていると考えられます。

また、有効求人数は63,031人で、前年同月比で122人増加しており、こちらは2か月連続の増加となりました。一方で、有効求職者数は43,769人と前年同月比で2.7%の減少が見られました。このような動きから、有効求人倍率が上昇した要因として、求人数の微増と求職者数の減少が組み合わさったことが挙げられます。正社員の有効求人倍率も1.31倍と、前年同月比で0.02ポイント上昇しており、安定した雇用形態へのニーズが引き続き高い状況です。

地域別にみると、広島市域では特に有効求人倍率が高く、地域全体での倍率は1.62倍と、他の地域と比較しても高水準を維持しています。例えば、広島東では2.08倍、広島西条では1.16倍という結果が出ており、地域によって雇用需給のバランスに差があることが分かります。福山市や尾道市などの東部地域でも1.5倍以上の高い水準を維持しており、企業側の人材確保への強いニーズがうかがえます。

産業別では、医療・福祉分野の求人が引き続き堅調であり、5,137人と前年同月比で7.1%の増加となっています。これは高齢化の進展と介護人材の需要拡大に伴うもので、今後もこの分野での人材ニーズは続くと見られます。一方で、教育・学習支援業は前年同月比で11.9%減の326人と、6か月連続の減少傾向にあります。サービス業全体でも3,923人と前年同月比で9.0%減となっており、特に娯楽業や生活関連サービス業の求人動向が今後の注目ポイントです。

就職者の属性に関するデータを見ると、60歳以上の新規求職者が増加傾向にある一方、20代や30代の若年層では減少が目立っています。特に20~24歳は前年同月比で8.7%減、30~34歳では13.9%減となっており、若年層の雇用環境には一定の課題があると考えられます。この点については、企業による若年人材の獲得競争が激化していることも影響しているとみられます。

産業別の動向では、建設業が前年同月比で6.6%増加の1,702人と堅調さを維持しており、インフラ整備や住宅需要の回復が背景にあると見られます。また、製造業も2,458人と前年同月比で2.0%の増加を記録しており、中でも輸送用機械器具や電気機械器具などの分野での求人が目立っています。これに対して、学術研究・専門・技術サービス業では475人と前年同月比で10.4%の減少となり、研究開発分野における人材需要の縮小がうかがえます。

このような雇用情勢の中で、企業の採用担当者にとっては、エリア別・業種別の求人倍率や求職者動向をしっかりと把握することが重要です。人材確保のためには、地域の需給バランスや対象となる人材層の特性に合わせた柔軟な採用戦略が求められます。また、広島県における雇用の今後の見通しとしては、物価上昇や景気の変動が企業活動と雇用に与える影響を慎重に見極める必要があります。求人倍率の推移をみても、若干の増減を繰り返しており、持ち直しの動きにはまだ強さを欠いているとの評価が妥当でしょう。

以上のように、令和7年2月時点の広島県における雇用情勢は、全体としては求人が求職を上回るバランスを維持しているものの、業種や地域によって明暗が分かれる状況にあります。特に若年層の動向やサービス業の求人減少など、個別に注視すべき項目が多く見られるため、企業においては今後の採用活動においてデータに基づいた精緻な分析が不可欠となります。

⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ

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