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2025年4月20日

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令和7年2月鳥取県の有効求人倍率は1.35倍、前月と横ばいで採用競争の厳しさ続く

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求職者減少と求人減少が同時進行、令和7年2月鳥取県の雇用市場に現れた需給のバランス変化

令和7年2月における鳥取県内の雇用情勢は、前月と比較して大きな変動は見られなかったものの、求人・求職ともに減少傾向が見られ、雇用市場に一定の落ち着きが生じていることが明らかとなりました。鳥取労働局が発表した統計資料によると、同月の有効求人倍率は1.35倍と、前月と同じ水準を維持しており、依然として求人数が求職者数を上回る状況が続いています。これは、全国平均の1.24倍および近隣府県との比較においても高水準であり、鳥取県の労働市場は相対的に求職者にとって好条件の傾向が続いていることを示しています。

季節調整値に基づく有効求人数は12,960人で、前月の13,375人から415人減少し、3.1%のマイナスとなりました。同様に、有効求職者数も9,629人で、前月から283人減少しており、こちらも2.9%の減少です。求人数と求職者数が同程度の割合で減少したため、求人倍率は横ばいとなりました。これらの数値は、求人数の減少が景気の後退や企業の採用控えによるものではなく、求職活動の鈍化と同時に起きていることを示しており、需給バランスが一定の安定を保っていることが分かります。

新規求人の動向に目を向けると、原数値で4,926人となり、前年同月比で236人、率にして4.6%の減少となりました。産業別では、運輸業・郵便業が43人増(14.8%増)、卸売業・小売業が27人増(4.3%増)、公務・その他が18人増(4.4%増)、建設業が2人増(0.4%増)と、いくつかの分野で増加が見られました。一方で、サービス業(110人減、19.2%減)、宿泊業・飲食サービス業(107人減、22.6%減)、医療・福祉(65人減、6.0%減)、製造業(24人減、5.3%減)では求人が減少しており、業種間での採用動向に差が生じていることが浮き彫りになっています。

求職者の側でも、全体的な活動は低調となっており、新規求職者数は1,797人で前年同月比411人、18.6%の減少となりました。常用新規求職者数についても1,787人で、407人(18.6%)の減少と大幅なマイナスが見られました。特に在職者からの求職は132人減(14.8%減)、無業者は46人減(27.1%減)、離職者は229人減(20.3%減)と、いずれの層においても求職意欲の減退が見て取れます。離職者の内訳を見ると、事業主都合による離職が129人減(42.0%減)、自己都合離職も94人減(12.2%減)と、それぞれ減少傾向にあります。これは、雇用安定性の向上や、職場定着率の改善などが影響している可能性も否定できません。

正社員の求人動向に関しては、やや明るい兆しも見られました。正社員の有効求人数は6,415人で、前年同月比で27人(0.4%)の増加となりました。一方、有効求職者数は5,648人で、前年同月より339人(5.7%)の減少となっており、正社員有効求人倍率は1.14倍と前年同月の1.07倍から0.07ポイント上昇しています。これは、正社員に対する求人需要が強まっている一方で、求職者が減少していることで倍率が上昇した結果であり、企業にとっては採用の難易度が上がっている状況です。全国平均の1.07倍を上回っている点も注目に値します。

また、新規求人倍率は2.74倍と前月より0.11ポイント上昇し、求職者1人あたりに対する新規求人の数が引き続き高い水準にあることが分かります。これは企業側の採用意欲が一定程度継続していることを示していますが、求人の減少と求職者の減少が同時に進んでいる点は、労働市場の活性度が緩やかに低下している兆候と捉えることもできます。

こうした中で、企業の採用担当者が注視すべき点は、業種別の求人減少や求職者動向の変化です。特にサービス業や宿泊・飲食業では求人の落ち込みが顕著であり、人手不足への対策が急務となる可能性があります。また、正社員採用においては求人倍率が上昇傾向にあるため、従来の採用手法では人材確保が難しくなる懸念もあります。自社の採用活動を見直し、求職者ニーズに応じた柔軟な制度設計やPR活動の強化が求められるでしょう。

このように、令和7年2月の鳥取県における雇用情勢は、全体としては落ち着きを見せつつも、一部で求人・求職の減少が続いており、採用環境には注意が必要な局面です。今後も物価の上昇や国際情勢の影響など、経済全体の動向が雇用に影響を与える可能性があるため、継続的なデータ観察と迅速な対応が鍵となります。

⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ

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