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2025年5月12日

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令和7年3月山形県の有効求人倍率1.35倍、人材確保戦略をどう見直すべきか

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県内の雇用情勢(新規学卒者を除く)令和7月3月内容(山形労働局)

令和7年5月2日に山形労働局より発表された最新の一般職業紹介状況によると、山形県内の令和7年3月における有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍となり、前月比で0.02ポイント上昇しました。これは全国平均の1.26倍を上回る水準であり、県内における雇用情勢が緩やかに持ち直していることを示しています。しかしながら、新規求人倍率(季節調整値)は1.89倍で、前月を0.08ポイント下回り、企業側の新たな求人活動にはやや慎重な動きも見られました。正社員に限った有効求人倍率(原数値)は1.07倍で、前年同月より0.02ポイント上昇しており、正規雇用志向が依然として強い状況が続いています。

令和6年度を通してみると、山形県の有効求人倍率(原数値)は1.34倍であり、前年度を0.04ポイント下回りました。求人数がやや減少する中で求職者数も減少したものの、求人減少幅の方が大きかったことが主な要因と考えられます。このような背景から、今後も物価高騰などが雇用に与える影響を注意深く見守る必要があります。

新規求人数に目を向けると、3月は8,295人となり、前年同月比で3.7%減少しました。これは2か月連続の減少となり、景気の持ち直しに若干の陰りが見られたといえるでしょう。産業別にみると、運輸業・郵便業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業で求人が増加した一方、建設業、製造業、卸売業・小売業、医療・福祉業では減少しました。特に卸売業・小売業では前年同月比21.1%の減少、製造業でも9.4%の減少が確認されており、物価高や消費行動の変化が大きな影響を及ぼしていることが推察されます。

新規求人数に占める正社員求人の割合は48.2%となり、前年同月より1.3ポイント低下しました。これは企業側が非正規雇用による人材確保を選択する動きが強まっていることを示している可能性があります。正社員希望の求職者にとっては、より厳しい競争環境となっていると言えるでしょう。

一方、求職者側の動きについては、3月の新規求職申込件数が4,679件となり、前年同月比では横ばいでした。態様別では離職者数が3.3%増加し、特に事業主都合離職者が9.1%増加したことが目立ちました。在職者からの新規求職申込件数は3.1%減、無業者からの申込も7.0%減少しており、求職者側の動きにも慎重さが見られます。月間有効求職者数は16,539人で前月比0.6%増加しましたが、前年同月比では4.5%減少しており、求職活動全体としては縮小傾向が続いています。

就職件数については、2,454件で前年同月比11.2%減少し、8か月連続の減少となりました。この減少は、求人数の減少と求職者側の慎重な姿勢が影響していると考えられ、ミスマッチの深刻化が懸念されます。特に正社員希望者の間で条件不一致による就職困難が指摘されており、企業側においては求人内容の再検討や柔軟な採用条件の提示が求められる状況です。

また、産業別に細かく見ると、製造業では16業種中3業種のみが前年同月を上回り、全体では2か月連続の求人減少となりました。特に紙・印刷関係、鉄鋼・非鉄金属製造業、情報通信機械器具製造業などで大きな減少が見られました。一方、はん用機械器具製造業や電気機械器具製造業では若干の求人増加が見られ、産業構造の変化に伴う求人動向の違いが顕在化しています。

このような雇用情勢の中で、山形県の企業は人材確保のためにより戦略的な対応が求められています。特に若年層や中高年層、女性、シニア層といった多様な人材の活用に向けた採用方針の見直しや、在宅勤務、フレックスタイム制など柔軟な働き方への対応が重要となるでしょう。また、採用活動だけでなく、既存社員の定着率向上に向けた取り組みも欠かせません。職場環境の改善、キャリアパスの明確化、リスキリング支援の充実など、長期的な視点での人材育成と組織強化が求められています。

今後も、物価上昇や景気動向に伴う影響を注視しつつ、企業は迅速かつ柔軟な人材戦略を展開することが生き残りの鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは山形労働局のWEBサイトへ

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