2025年5月14日
労務・人事ニュース
令和7年3月 高知県の有効求人倍率1.15倍、2か月ぶりの上昇で採用市場に変化の兆し
- 薬剤師/2025年5月14日更新
最終更新: 2025年5月13日 16:40
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高知県の雇用失業情勢(令和7年3月分)(高知労働局)
令和7年5月2日、高知労働局から発表された「令和7年3月の高知県における雇用失業情勢」によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍となり、前月に比べて0.03ポイント上昇し、2か月ぶりの増加となりました。これにより、求職者一人あたり1.15件の求人がある計算となり、引き続き労働市場は求職者にとって比較的有利な状況にあるといえます。有効求人数は14,444人で、前月に比べ49人、割合にして0.3%増加しており、2か月連続の増加となりました。一方で、有効求職者数は12,538人と前月に比べ296人、率にして2.3%減少しており、こちらも2か月ぶりの減少となっています。
新規求人倍率(季節調整値)は2.01倍で、前月比で0.20ポイント上昇し、5か月ぶりの増加を記録しました。新規求人数は4,912人で、前月比で295人、5.7%減少しましたが、新規求職者数は2,440人と前月比で429人、15.0%減少しており、求人の減少率に比べて求職者の減少率が大きかったことが倍率上昇の背景にあります。正社員に限定した有効求人倍率(原数値)は0.86倍となり、前年同月比で0.10ポイント上昇し、9か月連続の増加が続いています。これは、企業の採用意欲が底堅く推移していることを示しており、特に正規雇用の拡充が進んでいる傾向が見受けられます。
産業別にみると、農林・漁業分野では35人、38.0%の増加、建設業では66人、14.9%の増加、公務・その他部門でも52人、19.5%の増加が見られました。一方で、卸売業・小売業では190人、19.6%の減少、医療・福祉分野で190人、12.4%の減少、サービス業でも182人、25.1%の減少が報告されており、産業間での需給バランスの変動が明確になっています。特にサービス業界では25.1%もの大幅な減少が見られ、コロナ禍後の需要回復が思うように進んでいない可能性が考えられます。
新規求人数(原数値)は5,239人で、前年同月比で410人、7.3%の減少となり、2か月連続の減少を記録しました。また、新規求職者数も3,065人と前年同月比で307人、9.1%減少しており、こちらも2か月ぶりの減少となっています。就職件数は2,135件で、前年同月比で9件、0.4%減少しましたが、就職率は69.7%となり、前年同月に比べ6.1ポイント上昇しました。この数値は、求職活動を行った人のうち7割近くが就職に成功していることを意味し、高知県内の労働市場においては依然として堅調な就職環境が維持されていることを示しています。
ハローワーク別の有効求人倍率(原数値)を見ると、高知所が1.37倍、須崎所が1.09倍、四万十所が0.88倍、安芸所が0.95倍、いの所が0.68倍となっています。高知所、須崎所、四万十所では前年同月を上回る結果となった一方、安芸所は下回り、いの所は同水準にとどまりました。これにより、地域間での雇用需給状況にも一定の差異が見られることがわかります。
また、就業地別有効求人倍率(季節調整値)は1.23倍となり、前月に比べ0.05ポイント上昇して3か月ぶりの増加となりました。就業地別新規求人倍率も2.14倍と、前月比で0.26ポイント上昇し、2か月ぶりの増加となっています。就業地別の有効求人数(季節調整値)は15,388人で、前月比で271人、1.8%増加しました。一方、就業地別の新規求人数は5,230人と、前月比で156人、2.9%減少しており、新規求人についてはやや減少傾向が見られます。
雇用保険の状況について見ると、被保険者数は188,865人で前年同月比2,268人、1.2%の減少となり、64か月連続で減少しています。この長期にわたる減少傾向は、地域の人口減少や高齢化の進行が影響していると考えられます。受給資格決定件数は684件、前年同月比で41件、6.9%の減少、初回受給者数は579件と前年同月比で8件、2.0%の増加となりました。
全体を通して、令和7年3月における高知県の雇用失業情勢は、一定の改善基調を維持しつつも、業種による明暗がより鮮明になってきたことが特徴的です。今後、物価上昇など外部環境の変化が雇用に与える影響にも注意を払う必要があり、企業側には、引き続き柔軟な人材戦略と働きやすい職場環境の整備が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは高知労働局のWEBサイトへ