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2025年7月15日

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令和7年5月の宮崎県の有効求人倍率1.27倍

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一般職業紹介状況(令和7年5月分)(宮崎労働局)

令和7年5月に宮崎労働局が発表した最新の雇用統計によれば、宮崎県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.27倍で、前月と同じ水準を維持しました。この数値は、求職者1人あたりに対して約1.27件の求人があることを意味し、雇用市場における需給バランスとしては依然として企業側の人材獲得が優位にある状況が続いています。特筆すべきは、有効求人倍率が119か月連続で1倍以上を保っているという点で、これは長期的にみても企業にとって慢性的な人材不足が常態化していることを示しています。採用担当者はこの点を十分に理解したうえで、単なる求人募集だけでなく、求職者の動機付けや定着支援を含めた包括的な人材戦略を再構築することが求められます。

令和7年5月の有効求人数(季節調整値)は前月比で0.2%増加しており、企業の採用ニーズ自体は依然として強いことが伺えます。ただし、前年同月比では5.1%の減少となっており、これで22か月連続の減少となりました。この減少傾向は、新規求人の減少にも起因しており、同じ月の新規求人数は前年同月比で9.3%、具体的には841人の減少となっています。これは単なる偶発的な落ち込みではなく、雇用環境全体が企業側の採用活動の見直しを迫られていることを示唆しています。採用担当者としては、量的な求人拡大ではなく、質的な人材確保をいかに進めるかが今後の鍵となります。

一方で、有効求職者数(季節調整値)は前月比で0.5%の増加となり、求職者の動きにも一定の変化が見られます。ただし、原数値ベースでは前年同月比で3.2%減少しており、これで11か月連続の減少となります。つまり、全体として求職者の数は減っており、労働市場においては売り手市場が継続している状態です。このような状況では、企業は求人情報の見せ方ひとつで応募者数が大きく変わる可能性があるため、募集広告の内容や採用広報の手法に細心の注意を払う必要があります。具体的には、職務内容の明確化、働き方の柔軟性、職場環境の透明性などが応募動機に直結する要素となります。

特に注目すべきは、正社員に限定した有効求人倍率が1.06倍となり、前年同月比でわずかに0.01ポイント上昇している点です。これは、正規雇用における求人ニーズが依然として高いことを表しており、非正規雇用ではなく安定した雇用形態を望む求職者にとっても好機と言えます。企業の採用担当者は、正社員希望の応募者に対して、キャリアパスや福利厚生の充実といった長期的なメリットを提示することで、より質の高い人材を惹きつけることができるでしょう。

さらに、新規求職者数は前年同月比で5.6%の減少となり、269人減少しています。在職者、離職者、無業者のすべてのカテゴリーで前年同月を下回っており、特に離職者は6.5%減、事業主都合による離職者は8.7%減少していることからも、全体としての労働力供給が縮小していることが読み取れます。採用担当者にとってこれは大きな示唆を持つデータであり、離職者層をターゲットとしたリスキリングや再就職支援制度との連携、無業者層への再就職促進キャンペーンなどを組み合わせることで、潜在的な労働力を掘り起こす取り組みが求められます。

産業別に見た求人動向では、18産業中14産業で新規求人が減少するという厳しい状況が浮き彫りになっています。特に宿泊業・飲食サービス業は32.3%、製造業は16.8%、サービス業は13.2%、医療・福祉分野も6.6%の減少となっており、多くの業種で人材確保の難易度が高まっています。唯一、運輸業・郵便業では2.2%の増加が見られたものの、全体の流れとしては厳しいといわざるを得ません。企業はこの現実を正面から受け止め、職種や業界に応じた採用手法の工夫が不可欠です。たとえば、観光関連産業においては繁閑差を前提とした契約形態の見直しや、シーズンに合わせた短期採用の強化、医療福祉分野では資格取得支援や実務経験不要の求人拡充といった施策が必要でしょう。

このように、令和7年5月の宮崎県の雇用情勢は、企業の採用戦略において多くの課題と可能性を併せ持っています。有効求人倍率1.27倍という数値だけを見れば求人数が多いようにも見えますが、その背景には新規求人の減少や求職者数の継続的な減少といった複雑な要因が絡んでいます。採用担当者としては、単なる求人掲載にとどまらず、労働市場全体の動向を的確に把握し、自社の強みや求職者のニーズに即したアプローチを行うことが、これからの採用成功のカギとなります。人材獲得競争の中で優位に立つには、情報を制することが第一歩です。最新の統計に目を配りつつ、自社にしかない魅力を求職者にどう伝えるか。その試行錯誤こそが、未来の人材確保につながるのです。

⇒ 詳しくは宮崎労働局のWEBサイトへ

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