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2025年3月21日

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企業収益は前年比13.5%増!景気回復がもたらす採用市場への影響(令和7年3月月例経済報告)

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3月月例経済報告(内閣府)

令和7年3月の月例経済報告によると、日本の景気は一部で足踏み状態が続いているものの、全体的には緩やかな回復傾向を示している。個人消費は回復の兆しがあるものの、一部で停滞がみられる。設備投資は持ち直しており、住宅建設はおおむね横ばいで推移。公共投資は底堅い動きを維持し、輸出も持ち直している。しかし、貿易・サービス収支は依然として赤字が続いている。生産は横ばい傾向にあり、企業収益は改善しているが、その伸びは緩やかだ。雇用環境も改善傾向にあり、消費者物価は上昇を続けている。

政府の見解として、雇用や所得環境の改善と政策の効果により、今後も緩やかな回復が続くと予想されている。しかし、物価上昇が消費者心理を冷やす可能性があり、米国の通商政策の影響や金融市場の変動が景気に与えるリスクに注意が必要とされている。特に、米国の政策動向や中東情勢、欧米の高金利環境の継続、中国の不動産市場の停滞が日本経済に与える影響が懸念されている。

政府はデフレからの脱却を確実にするために、「経済あっての財政」という考えのもと、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現を目指している。このため、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を推進し、令和6年度補正予算を速やかに執行するとともに、令和7年度予算および関連法案の早期成立を図る方針だ。また、日本銀行と連携しながら、物価と金融情勢を考慮した機動的な政策運営を進める方針である。

個人消費については、足踏みが続いているものの、持ち直しの動きがみられる。2024年10~12月期のGDP速報によると、民間最終消費支出は前期比0.0%増だった。一方、消費者の購買意欲を示す消費動向指数(CTI)は前月比0.1%減となり、世帯消費動向指数(CTIミクロ)は1.9%減と落ち込んだ。消費の動向を見ると、新車販売は持ち直しつつあり、家電販売も回復傾向にあるが、旅行需要は横ばいのままだ。外食産業は緩やかに増加している。実質総雇用者所得が回復しつつある一方で、消費者マインドの低下が懸念される。

設備投資については、回復傾向が続いている。「法人企業統計季報」の10~12月期調査によると、設備投資は前期比0.6%増。製造業では0.7%増、非製造業では0.5%増の伸びを示した。建設工事費予定額は横ばいの状態が続いているが、機械受注は持ち直しの動きを見せている。企業の設備投資意欲は底堅く、今後もこの傾向が続くと予想される。

住宅建設は全体的に横ばいの状態が続いている。持ち家の着工はほぼ横ばいで、貸家の着工も同様に大きな変化はない。分譲住宅の着工も横ばいの傾向を示している。首都圏のマンション販売戸数も安定しており、大きな変動はみられない。今後もしばらくは横ばいで推移すると見込まれている。

公共投資については、底堅い動きを維持している。政府の補正予算により、公共事業関係費は前年度比1.4%増となった。今後も補正予算の効果により、一定の安定した投資が続く見込みである。

輸出は持ち直しているものの、輸入は横ばい傾向が続いており、貿易・サービス収支は赤字が続いている。輸出はアジア向けが持ち直しているが、アメリカやEU向けは横ばいとなっている。今後の海外経済の動向が、日本の輸出産業に与える影響が注視されている。

生産活動は横ばいで推移している。鉱工業生産指数は1月に前月比1.1%減となり、生産用機械は横ばいのままだが、輸送機械は持ち直しの動きを見せている。今後の生産動向は、海外景気の変動による影響を受ける可能性がある。

企業収益は改善しているものの、その伸びは鈍化している。「法人企業統計季報」の調査によると、2024年10~12月期の経常利益は前年比13.5%増、前期比12.1%増となった。大企業は前年比8.4%増、中小企業は32.3%増と、特に中小企業の収益が大きく改善した。一方で、景気動向の不透明感が強まる中、企業の業況判断は慎重な姿勢がみられる。

雇用環境は改善傾向にあり、人手不足感が依然として強い。完全失業率は2.5%で横ばいとなったが、就業率は緩やかに上昇している。企業の求人状況も横ばい圏内で推移しており、今後も安定した雇用環境が期待される。

消費者物価は上昇を続けており、国内企業物価も緩やかに上昇している。消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇し、エネルギーを除いた物価も引き続き上昇している。物価上昇が家計の負担を増やし、消費マインドに与える影響が懸念される。

金融市場の動きとしては、日経平均株価が38,600円台から37,300円台へと下落し、円相場も151円台から148円台へと円高方向に推移した。金利面では、無担保コールレート(オーバーナイト物)は0.47%で推移し、長期金利は1.3%から1.5%台へと上昇している。

海外経済の動向を見ると、アメリカは景気拡大が続いているが、マインド悪化の影響で勢いが鈍化する可能性がある。中国は政策効果により供給が増えているものの、不動産市場の停滞が続き、景気回復には時間がかかる見通し。ヨーロッパではユーロ圏が持ち直しつつあるが、ドイツは依然として足踏み状態にある。

このように、日本経済は回復基調を維持しているものの、海外経済の影響や物価上昇の継続に注意が必要な状況が続いている。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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