労務・人事ニュース

香取市内10店舗がオリジナルかき氷で参加、2025年9月30日まで地域回遊型イベントを展開

千葉県香取市の佐原商工会議所は、地域の観光振興と商店街の活性化を目的に、今年も恒例の「江戸優り佐原のかき氷スタンプラリー」を開催しています。開催期間は令和7年4月19日から9月30日までと、春から夏を通して約5か月半にわたるロングランイベントとなっており、地元住民はもとより観光客からも毎年高い関心を集めています。今年で8年目を迎えるこのスタンプラリーは、まちづくり会社NIPPONIA SAWARAや日本かき氷協会の協力のもと、香取市の観光資源を発信し、地域経済の持続的発展を図る重要な取り組みの一環として実施されています。

このスタンプラリーでは、市内の10店舗が提供する個性豊かなオリジナルかき氷を楽しみながらスタンプを集める仕組みとなっており、参加者は5店舗以上のスタンプを集めると、先着200人に特製オリジナルスプーンがプレゼントされる特典があります。スタンプの収集には紙の台紙とスマートフォンアプリの2つの方法が用意されており、参加のハードルを下げる工夫も随所に見られます。スタンプ台紙は佐原商工会議所のほか、参加店舗や観光施設「さわら町屋館」、佐原町並み交流館、水郷佐原観光協会などで配布されており、地域内外からの観光客の回遊性を高める仕組みが整備されています。

このイベントの魅力は、単にかき氷を食べることにとどまりません。各店舗が工夫を凝らして提供するかき氷は、地元産の果物や素材を活用したオリジナルレシピが多く、地域の食文化や農業との結びつきが深い点が特徴です。たとえば、地元産のいちごやメロン、ブルーベリーをふんだんに使ったフルーツ系かき氷や、和素材を使った抹茶・ほうじ茶・黒糖などの風味豊かな品々が並び、訪れる人に味覚を通して「佐原の夏」を伝える役割を担っています。食を通じた観光体験は、地域に根差したサービス提供のあり方やブランディングの重要性を体感できる場でもあり、参加店舗の従業員や若手スタッフにとっては、観光接客や商品開発に関する実践的な学びの場ともなっています。

また、スタンプラリーに参加することで得られる特典としてのスプーンは、単なるノベルティではなく、参加者にとってはイベントの記念品としての意味合いも強く、SNSなどを通じた拡散効果も見込まれます。すでにInstagramなどの各種SNSでは「#佐原かき氷」などのハッシュタグと共に、かき氷の写真や店舗情報が投稿されており、イベントの周知と拡大に寄与しています。このような「食×体験×シェア」の構造は、地域ブランディングにおける好例であり、企業の広報やマーケティング部門にとっても参考になる取り組みです。

企業の採用担当者にとっても、このような地域に根差したイベントがもたらす波及効果には注目すべき点が多くあります。まず、地域密着型の事業活動に対する理解や関心を持ち、自発的に関与できる人材は、地域共創型のプロジェクトにおいて即戦力となり得る存在です。また、観光資源や地元産品を活用した商品開発やイベント運営の経験を持つ人材は、企業にとっては今後の地方戦略や地域展開において貴重な戦力となります。

さらに、近年では「地域で働きたい」「地元に貢献したい」という志向を持つ若者が増加しており、採用戦略においても地域活性化への取り組みや共感型ブランディングが一層重視されるようになっています。スタンプラリーのような取り組みに参加したり、関心を持つ層を積極的に採用することで、企業としての社会的価値を高めることにもつながります。

また、イベント運営におけるデジタル技術の活用も重要な視点です。今回のスタンプラリーでは、紙の台紙と並行してスマートフォンアプリを活用したデジタルスタンプラリーも展開されており、若年層や観光客にとって利便性の高い仕組みが構築されています。こうしたデジタル施策に対応できる人材の確保は、今後あらゆる業種において求められる資質の一つとなるでしょう。

このように、地域資源を活かしたイベントがもたらす波及効果は観光振興や商業活性化にとどまらず、企業活動や人材育成にも密接に関わっています。香取市佐原のまち全体が舞台となるこのスタンプラリーは、観光客のみならず、地域で働く人々にとっても価値のある学びと発見の場となっており、地元企業が人材を育て、魅力的なまちづくりを継続していく上での好例といえるでしょう。

⇒ 詳しくは佐原商工会議所のWEBサイトへ